添乗報告記

【バードウォッチングツアー添乗報告記】
3/20発 フィリピン ネグロス島 5日間

 

ツアー名:フィリピン ネグロス島 5日間【バードウォッチング】

2019年3月20日(水)~24日(日) 
文●写真:五百澤 日丸 (いおざわ・ひまる)


ASEANツーリズム・アワード ロゴ

当ツアーが ASEANツーリズム・アワード・ジャパン2018『サステナブル・ツアー賞』受賞しました!


フィリピン・ネグロス島のバードウォッチングツアーは下見を含めて今回で3回目。初日はマニラの空港で参加者全員と合流し、国内線でバコロドへ向かいます。


 ネグロス島バードウォッチング ツアー2日目

早朝にホテルを出発、ガワホンエコパークへ向かいます。今日も快晴で、風も心地よく穏やかです。車窓から、道路の両脇に広大なさとうきび畑や牧草地、水田などの景色を見ながら、途中、クロノビタキやアマサギの群れ、タカサゴモズなどを確認します。


ネグロス島の風景ネグロス島の風景

しばらくしてガワホンエコパークに到着。管理されている公園のため、ゲートで入園の手続きをします。各自、サインをして記念写真を撮影した後、背後の農耕地をのぞいてみると、ナンヨウショウビンがとまっています。さらに上空を1羽のマダラチュウヒの雌がゆっくりと帆翔していきます。

ゲートからまた専用車で更に奥へと進み、舗装された道路のどん詰まりで下車。アオオビカワセミを求めて渓流沿いの散策路を歩きます。カナリアヒタキやシロシリモズヒタキの声が聞こえ、ヤハズカンムリオウチュウがチラッと木の間越しに飛翔します。


カナリアヒタキカナリアヒタキ

途中、渓流やいくつかの小さい沢を滑りながらも何とか渡り、藪が覆う道では、時折、足をとられながら、鳥たちを探します。昨年に比べると、やや鳥影が薄いようです。現地ガイドさんに訪ねると、「今年は多くの鳥が早く繁殖したため、より高いエリアへ移動してしまったようだ」とのことです。


ガワホンエコパークガワホンエコパーク

ランチタイムとなりましたが、林道沿いでは、アカハシゴジュウカラや固有種のキミミモリチメドリなどが一気に出現し、昼食はしばらくお預けになる一幕もありました。午後は、キミミモリチメドリをもう一度トライするも、空振りに終わってしまいます。ルリオハチクイなどを堪能し、農耕地を見ながら養魚池などを見て回り、この日の観察は終了。


 ネグロス島バードウォッチング ツアー3日目

この日はガワホンエコパークの林道のみを歩いて探鳥します。いくつかの見たい鳥をガイドさんにリクエストして、1種ずつ探すことにしました。渓流沿いではカナリアヒタキの営巣地や、ビサヤオウギヒタキ、フィリピンキゴシタイヨウチョウなどを観察。


オレンジハナドリ雄オレンジハナドリ雄

そして、現地ガイドさんのがんばりが功を奏し、ついにシロボシショウビンが見つかりました。しかも、雌雄ともども。「この種がいるために、体の小さなアオオビカワセミは追い出されてしまったみたいだ」とのことでしたが、昨年シロボシショウビンを見られた人は数人だったので、かなりラッキーです。


シロボシショウビン雄シロボシショウビン雄

午後はバラリング・マングローブ・エコパークを訪れます。ここは、マングローブの中に竹で作られたトレイルがあり、ギシギシと音を立てながらマングローブ林を進みます。


竹で作られたトレイル竹で作られたトレイル

やがて先端に出ると、海に出て広大な干潟が広がっています。ここでは、多くのシギ・チドリ類やサギ類、アジサシ類などを楽しみました。先端には3階建ての竹で作られたタワーがあり、そこからは辺りを一望することが出来ました。


カラシラサギとジャワアカガシラサギカラシラサギとジャワアカガシラサギ


 ネグロス島バードウォッチング ツアー4日目

今日は終日探鳥できる最後の日。マンブカル・マウンテン・リゾートで探鳥します。まずは、林内のトレイルへ。しばらくするとネグロスハナドリがいました。


ネグロスハナドリネグロスハナドリ

まだ出会えていないのですが、この公園で期待できるズグロヤイロチョウを探します。以前、2年連続で簡単に見られたポイントには来ていないようで、結局、空振りに終わってしまいました。

それでも、マングローブヒメアオヒタキや、マメカワセミをチラリと見たり、それなりの収穫がありました。


(ビサヤ)テリアオバト(ビサヤ)テリアオバト

最後は公園の現地ガイドさんの自宅に作られたツアーハウスに上がらせていただき、ネグロスハナドリヤキバラタイヨウチョウなどを観察することができました。ここも昨年に比べて鳥が少なくなったように感じます。


キバラタイヨウチョウキバラタイヨウチョウ

最後はシロハラアナツバメのコロニーを観察して終了。ホテルで夕食後は鳥合わせをして解散。


 ネグロス島バードウォッチング ツアー最終日

出発までホテル周辺で探鳥すると、ミナミツミやエゾビタキ、オニセッカ、モリツバメなどに出会うことが出来ました。


モリツバメモリツバメ

国内線でマニラ到着後、皆様とお別れして解散。こうして、5日間のツアーが終了しました。皆様、大変お疲れ様でした! ありがとうございました!


【今回確認できた鳥達】


オオリュウキュウガモ、アカノドカルガモ、シマアジ、ヨシゴイ、アオサギ、ムラサキサギ、ダイサギ、チュウサギ、カラシラサギ、コサギ、アマサギ、ジャワアカガシラサギ、ササゴイ、ゴイサギ、サシバ、マダラチュウヒ、ミナミツミ、シロガシラトビ、ムナオビクイナ、シロハラクイナ、マミジロクイナ、バン、セイタカシギ、ダイゼン、ムナグロ、メダイチドリ、オオメダイチドリ、シロチドリ、コチドリ、チュウシャクシギ、ホウロクシギ、ダイシャクシギ、オグロシギ、オオソリハシシギ、キョウジョシギ、オバシギ、コオバシギ、ヒバリシギ、タシギ、イソシギ、キアシシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、タカブシギ、アカアシシギ、ツバメチドリ、コアジサシ、ハシブトアジサシ、クロハラアジサシ、カワラバト(ドバト)、ベニバト、カノコバト、キンバト、チョウショウバト、(ビサヤ)テリアオバト、オオハリオアマツバメ、シロハラアナツバメ、フィリピンムジアナツバメ、ヒメアマツバメ、カワセミ、カワリカワセミ(マメカワセミ)、ナンヨウショウビン、シロボシショウビン、ルリオハチクイ、マレーシアセンニョムシクイ、モリツバメ、マダラナキサンショウクイ、シロシリモズヒタキ、アカモズ、タカサゴモズ、ヤハズカンムリオウチュウ、ビサヤオウギヒタキ、クロエリヒタキ、タイワンヒバリ、タイワンショウドウツバメ、ツバメ、リュウキュウツバメ、オオコシアカツバメ、カナリアヒタキ、シラボシガラ、アカハシゴジュウカラ、メグロヒヨドリ、ビサヤヒヨドリ、キバラサイホウチョウ、ルソンムシクイ、ミナミムシクイ、フィリピンムシクイ、オオヨシキリ、オニセッカ、タイワンセッカ、キミミモリチメドリ、フィリピンキメジロ、エゾビタキ、フィリピンシキチョウ、、マングローブヒメアオヒタキ、クロノビタキ、ミドリカラスモドキ、ハッカチョウ、ニショクハナドリ、ネグロスハナドリ、オレンジハナドリ、キバラタイヨウチョウ、フィリピンキゴシタイヨウチョウ、ツメナガセキレイ、ヒメマミジロタヒバリ、スズメ、シマキンパラ、キンパラ


< 種名についての注釈 >

和名:フィリピンキゴシタイヨウチョウ
英名:Magnificent Sunbird
学名:Aethopyga magnifica

以前はキゴシタイヨウチョウCrimson Sunbird A.siparajaの1亜種とされていました。この種の分布は広く、ヒマラヤから中国南部、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア、スマトラ、ボルネオ、ジャワ、セレベス、フィリピンにかけて分布しています。中でも、フィリピンはパナイ、ネグロス、セブにしか分布しておらず、他の亜種と比べても隔離された生息域となっています。キゴシタイヨウチョウから分割されたのはそういった理由もあるのでしょう。

ヴィサヤ諸島の一部の3島のみにしかいないので、和名はフィリピンキゴシタイヨウチョウとしておくことにします。ただ、この種には腰に黄色い羽衣が無いので、フィリピンタイヨウチョウとしても良いかもしれません。もっといい名前を付けてあげたい気もしますが・・。あるいはヴィサヤタイヨウチョウとするのも良いかもしれません。余談ながら、このヴィサヤですが、地名事典ではビサヤ諸島となっています。日本語表記は、ビサヤで、ヴィサヤではありません。鳥学会は、地名に関する扱いはこの事典を標準とするので、今後、ヴィサヤではなく、ビサヤとして扱うかもしれません。

和名:ビサヤテリアオバト
英名:White-eared Brown Dove
学名:phapitreon leucotis

ガワホンエコパークにて、声と姿を少しだけ見ることが出来た小さいハトです。現地のガイドさんによると、「テリオバトから分割されて固有種になった」というお話でした。テリアオバトは、従来、4亜種に分けられ、世界でもフィリピンにしかいないハトです。ネグロス島に分布するテリアオバトの亜種は、P.l.nigrorun.とされ、この亜種が分割されて固有種になりました。固有種になった場合、英名も学名も変わるわけですが、学名は亜種名のnigrorunが種名となるわけです。よって、P.nigrorunになるはずです。

この種(亜種)の分布は、ティカオ、タブラス、シブヤン、マスバテ、パナイ、ギラマス、ネグロス、セブのヴィサヤン諸島のみです。このことから、私は、英名はVisayan Brown Doveとすることがしっくりすると思います。和名も、ヴィサヤテリアオバトがふさわしい気がしますので、仮称としてこの和名を提案し、まとめのリストにこれを仮称として反映させました。和名はきちんとした形での論文として定める傾向であり、一介のツーリストの見解で勝手に決めるわけにもいかないので、「仮称」にとどめています。



 

風の鳥日和