中野という街  PART2

つむじかぜ173号より


中野のブロードウェイの地下街に降りると、突然、下町の商店街に迷い込んだような気分になります。八百屋、肉屋、魚屋、御茶屋、惣菜屋などの食品店や、かばん屋、衣料品店、靴の修理屋、などなど小さな専門店が、所狭しと立ち並んでいます。値段も、安い。ここも、いつ行っても人通りが多いのに驚かされます。

しかも、夕方、七時半くらいで何処の店も閉店になるという、今時珍しい“健全な”商店街なのです。ですから、夕方、七時ごろになると安売りをやっています。特に惣菜や、刺身、寿司などは、半額くらいになります。「今日作ったものは、今日売り切るんだ。もってけ、もってけ!」そんな、掛け声が伝わってきそうです。

このブロードウェイの2階に「おばちゃんの店」と風のスタッフが勝手に呼んでいる喫茶店があります。ここのおばちゃんに聞いたのですが、ブロードウェイは、最初、賃貸ではなくて、分譲だったそうです。当時としてはそれなりの値段はしたそうですが、もうみんなローンも終っているから値段が安くてもやっていけるんだそうです。ところが、最近は、年を取ってきたから、自分で商売するのがきつくなってきて、店を貸してしまう人も増えてきたそうです。

「今度、またおもちゃ屋ができるんだそうだよ。今に、おもちゃ屋ばっかりになっちゃうよ」おばちゃんは、変わりゆくブロードウェイに戸惑っているようでした。ブロードウェイでおもちゃ屋と呼ばれるのは、フィギアを売る店のことです。確かに、沢山、そんなお店がブロードウェイの2階3階に並んでいます。2階3階だけ見ていると、なるほど、秋葉原と並び称される『おたくの街』と言われるのも納得できます。

小さな専門店がひしめく中野ブーロードウェイとサンモール商店街。その多様性が、世代を超えて人を引き付けているのかもしれません。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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