中野という街  PART1

つむじかぜ172号より


旅行社を始めて16年。私が、今までに住んだり、仕事をしたどんな街より長くなりました。新宿と吉祥寺に挟まれ、どことなく開発から取り残された街ですが、私にとっては、思いはひとしおです。

中野には、中野サンモールというアーケード街が、中野駅北口前から早稲田通りに向かって伸びています。アーケード街の中ほどからは中野ブロードウェイになりますが、初めての方は気が付かないくらい違和感無く繋がっています。両方あわせても、徒歩で7~8分ほどの長さです。

風の事務所と駅を結ぶ道は、このアーケード街を歩くよりは、直線的な道があります。駅を背中に、ちょうど直角三角形の30度の頂点から、左に斜めに延びた、一番長い辺を歩く感じです。私は、ちょっと遠回りになりますが、まっすぐ進んで、このアーケード街を好んで歩きます。「あの店は繁盛しているかな」「あれ?新しい店ができたぞ、、、」などなどと観察して歩きます。結構店の入れ替わりが激しいので、その移り変わりを見るのも面白いものです。

中野ブロードウェイの歴史は古くて、1959年に遡ります。もうすぐ50歳になります。私よりちょっと年下です。地下商店街と地上4階までが商店で、その上は、マンションになっています。前東京都知事の故青島幸男氏は、都知事に当選したころ、このマンションに住んでいて、中野ブロードウェイの早稲田通り沿いの入り口に黒塗りの車がよく停まっていました。駐車スペースが殆どないところに、何台も黒塗りの車が止まって住民に迷惑を掛けてもいけないと、渋谷の都知事公館に引っ越されたと聞きました。

しかし、アーケード街の一番の特徴は、兎に角、曜日も昼夜も問わず、人通りが非常に多いということです。こんなに、人通りの多い商店街は、いまどき珍しいのではないでしょうか。南口にあった丸井の本店も昨年閉鎖され、デパートが一件もないというのも要因でしょう。しかし、そればかりが理由じゃないようです。

つづく 

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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