身をもって行動し、実践する人を敬いたい!

つむじかぜ197号より


いつも、突然、舞い込んできます。ペシャワール会の伊藤和也さんが、拉致され殺害された事件に、やりきれない悲しさを感じました。一切を覚悟してのこととは思いますが、援助活動とはなんだろう。と改めて考えさせられました。

私たちも、ネパールやモンゴルなど、NGO、NPOの活動が盛んな国を扱っていますから、これらの団体のお手伝いをすることも多く、身近にその活動に接したりもします。しかし、アフガニスタンで活動するほどのリスクを冒す団体は少ないように思います。命を賭してとは、中々いかないもので、それは、仕方のないことだと思います。むしろ、何の根拠もなく、使命感だけの無謀な行動は慎むべきです。

弊社は、援助団体ではありませんが、扱う地域柄か、このリスクを何でもかんでも回避するだけでは、仕事になりません。マスコミや、外務省などから得られる情報に加え、現地の情報を徹底的に収集し、時には、傍目には、「何故そんなリスク取るんだ」と映るような判断をする場合もあります。でも、それなりに根拠がなければ出来ません。ペシャワール会も、きっとそんな根拠があったんだと思います。

ペシャワール会は、事件後、活動を一旦、引き上げる決断をしたそうですが残念でなりません。現地にすっかり溶け込んで人間関係を築き上げて来ただけに、やるせない結果です。

物事を、白と黒の二者択一でしか考えられず、まして、宗教的な価値観ですべて昇華してしまうような人たちに、何を言っても無駄かもしれません。もちろん善意の押し売りは、援助ではありませんが、身をもって行動し、実践する人を、私は、敬いたいと思います。

伊藤和也さんのご冥福を祈ります。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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