地産地消

つむじかぜ260号より


私の実家では、85歳に手が届く親父が野菜を作っています。先日も、里芋を段ボール箱一杯送ってきました。粘り気の強いしっかりした味の美味しい里芋でした。私は、里芋の味噌汁が好きなことを意識してか毎年送って来てくれます。

しかし、親父の野菜は、所詮、趣味の域を出ませんので、実家の需要を賄えず近くの小型スーパーで日ごろは買います。ところが、なんで、こんなに萎びた野菜を買わなければならないのか、と疑問に思うこともしばしばあります。田舎の美味しい野菜は大都市に出荷されていきます。田舎のスーパーには並びません。

最近は、東京では、レタス、トマト、きゅうり、なす、などの野菜が、一年中買えます。冬のトマトは美味しくない。と思いきや、結構甘くて美味しかったりします。大都市優先の大量販売を支える流通のために、私は、その恩恵にあずかっているのかも知れませんが、その一方で、地方は犠牲になって来たとも言えます。

ところが、消費の低迷に苦戦する大手スーパーを尻目に直売所が大ブームになっているそうです。11/19、NHK「クローズアップ現代」で、「直売所が農業を変える。~大ブームの舞台裏~」 と題して、全国の直売所のことが放送されました。その数は約1万3000。なんと、年商20億円を超える直売所もあるそうです。

「朝採りいちご」などに象徴される新鮮さが売りで、自分が持ち込んだ野菜が売れて品薄になると携帯メールで連絡がくるので、直ぐに収穫して補充するんだそうです。しかも、農家は自分で持ち込んだ野菜に自分で値段を付け、売上の15%を店が取り、残りは農家の収入になるのですが、携帯メールで刻一刻販売状況が流れてくるので、農家は、自分の野菜がどれだけ売れ、収入が幾らか即座に判るんだそうです。しかし、売れ残れば農家が引き取るというリスクを背負うそうです。

まさに、地産地消です。流通のパラダイムシフトといえるかもしれません。一度、行ってみたいものです。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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