JICAエコツーリズム研修

つむじかぜ271号より


JICAが実施するエコツーリズム研修に、モンゴルから、旅行会社や、NG、NPOなどの若手のスタッフ15名が来日しています。どのような理由で、彼らが選ばれたのかは判りませんが、なかなか熱心に勉強しています。

日本は、現在、エコツーリズムの先進国ということになっています。日本がエコツーリズムのノウハウを海外で指導する。そんなことがアジアや、東欧、アフリカなどで行われているのです。

考えてみたら、エコツーリズムを推進する法律をもっている国は、おそらく日本だけです。通常は、民間の団体やNPO等が独自で頑張っていますが、国が予算をつけて推し進めようなどというケースは中々ありません。

立法化されたことで、実際、予算がつくようになりました。この研修も、モンゴルだけでなく、ネパール、ブータン、カンボジア、タイ、ラオス、フィリピン、などから 各々定員15名募集され、4週間ほどの研修を各国別々に行います。その経費は相当なものです。

2/18(木)、私は、モンゴル人の研修の講師を一日だけ引き受けました。実際に、エコツアーを作ってみようという授業です。しかし、彼らにとってエコツアーは、不思議な概念らしく、なんでこんなことするの?というような顔をしています。かと思うと、どこでどう習ったのか、自然を説明、体験すればエコツアーだとばかりに、てんこ盛りに体験ツアーを並べます。モンゴルの自然が、今、壊れつつあるという危機感は殆どありません。

それでも彼らが、モンゴルの置かれている現状と将来を、この機会に真剣に考えてくれることは大変嬉しいことです。モンゴルの宝は、草原と遊牧民の文化、生活習慣だと私は思います。近代化、経済発展とどう調和するか。今は、経済発展が優先され、鉱山開発で川が汚れ、家畜が増えすぎて草原が砂漠化しています。

散々、公害を起こし、自然を破壊してきた日本が、こんな指導をするのもおかしな話ですが、モンゴル人自身で考え、自然と共に生きる彼らの本来の姿を守って欲しいと思います。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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