モロッコスタッフ来日

つむじかぜ270号より


モロッコから、ラシッドとサラがやってきた。ラシッドは二度目、サラは初めての来日だ。「これから、広尾のモスクへ行きます。その後は、お台場に、浅草、、、」日本に来てもお祈りは欠かさない。なるほど、古き日本「浅草」と、最先端の日本「お台場」か。彼らは、どちらも大変好きみたいだ。

東京は、車やバイクを使わず何処でも電車で行ける。「SUICAはとても便利です」ラシッドは、以前、日本に来たときは、切符を買うのが大変だったので、SUICAがすっかり気に入ってしまったようだ。サラは、「ビックリした。人がいっぱい、電車もいっぱい!」と目を白黒させている。

「いっぱい歩いて疲れました」1日東京の街をあちこち歩くと、とんでもない距離を歩くことになる。彼らは、マラケシュにいたら、すっかり車社会に“毒されて”しまい歩かない。ネパールのあのトレッキングガイドたちでも、東京へ来ると、「歩きすぎです。疲れた~!」とまあ、だらしないことこの上ない。困ったものだ。

「今日は、ハラールした肉を買ってきてマスターに料理してもらいました」スタッフが、行きつけの近くの中華料理屋に頼んで、二人が食べられる料理をしつらえ歓迎の宴を開いた。「ハラールすると何が違うの?」「気持ちが違います」そう答えたのは日本人のスタッフだが、彼らにとっては、守るべき戒律だから気持ちではない。でも、私も含め、日本人には、気持ちの問題に感じてしまう。この気持ちが大事だと日本人は思うが、戒律だから、気持ちでは片付かない。ここら辺が、日本人が、敬虔な信仰を理屈では理解しても、感覚的には分からない理由かもしれない。

最近は、大学食堂でも、ハラールメニューを増やしているところが多いとつい先日テレビで報じていた。インドネシアやバングラディシュなどのイスラムの国々からの留学生が増えているからだそうだ。素晴らしいことだと思う。が、しかし、まさか学生確保という経営上の問題だけから発想されたことではないでしょうなと少々危惧してしまう。考えすぎとは思うが。

※ハラール=イスラムの法の下で肉や食品を屠殺・加工すること

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

シェアする