火山噴火

つむじかぜ280号より


EUが決めただけで、まだ火山の噴火が続いているのにヨーロッパの航空路が4/20再開された。旅行会社としては歓迎すべきことであるが、決断の速さと効力の大きさには驚いた。EUとはそんなに力があるのか?日本なら絶対にこんな決定は直ぐには出ない。「事故が起きたら、誰が責任を取るんだ」。そんな議論になるに決まっている。

結局誰も責任を取ろうとしないから、ずるずると時が経ち、周りの国々の反応をみて他がやり始めるのを見極めてから後追いをする。悲しいかな、これが日本人に染み付いた習性である。私だって、日本人だから、その感覚がよく分かる。

しかし、根本的に日本とは全く違う考え方が背景にある。リスクを取ることをむしろ勇気ある決断として賞賛するということだ。今回も、あえて、リスクを取ったと言い切ってしまう。万に一つの事故を恐れていては、社会全体の損害が広がるばかりだ。リスクを取ってでも問題解決に踏み出すべきだ。そう考えるのが欧米流らしい。

こんな場合、日本人は、少数を犠牲にして多数を救うという考え方は取らない。たとえ少数であっても、それを切り捨てるようなことは、口が裂けても言えないものだ。「死ぬときはみんな一緒」みたいな考え方が根強く残っている。それが日本人の感覚であり、これまた、私自身とてもよく理解できる。

リスクを犯すことを勇気ある行動と見るのか、単なる無鉄砲と見るのかは難しい。先日、クローズアップ現代でアメリカの「ティーパーティー」のことをやっていたが、個人の責任が基本で国はそれに口を出すな!という主張は、日本人には、本当に、遠い感覚だと思う。

そんなこと言っていると、国際的に通用しないぞ!と怒られそうだが、ジャパンスタンダードの良さだってあると私は思う。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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