生活のなかの公園

つむじかぜ288号より


私の住んでいるマンションのすぐ近くに、東大和南公園という、なんと400メートルトラックを備えた公園がある。トラックの中は、芝生になっているが、真ん中に約50メートル四方の土の運動場があって、ゲートボールをしたり、野球、サッカーなどをやっている。球技ができる珍しい公園である。

その400メートルトラックが、先日、アンツーカーになった。土のままでいいのに、何でそんなことをするんだ、と少々腹立たしく思っていたが、出来上がってみると、これが、なかなか気持ちがいい。レンガ色のトラックは、白線で6コースに区切られ、ハードルを置く場所や、400メートル走のスタートラインなどが描かれている。

不思議なもので、コースがひかれると、みんなそのコースに沿って走るようになる。100メートル走をして、ストップウォッチで計測しだす親子までいる。なんだか、公園から陸上競技場に変ってしまったようだ。

遊具も店も何もないからだろう。日曜日には、近所の親子づれは大勢やってはくるが、遠方からわざわざ来たりはしない。最近は、息子たちとこの公園で遊ぶこともなくなったが、下手に遠方の公園に出かけても「こんなことなら南公園で充分だったなあ」ということも多かった。現在は、私が朝のランニングや休みの散歩に使ったりする程度だが、すっかりお気に入りの公園になった。

働く場の近くはともかく、生活の場の近くには公園がほしい。公園は、人工的な自然ではあるが、疲れた体を癒してくれる。自然は、素晴らしいが、必ずしも人に優しいとは限らない。公園は、“楽”である。生活の場の近くにあるから公園っていいんだろうなっと最近感じるようになった。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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