遊ぶ力

つむじかぜ287号より


多摩川の支流で野川(のがわ)という川がある。国分寺市を源流に二子玉川で多摩川と合流する全長が約20キロメートルの川である。航空写真で見ると、多摩川に向かって一本の緑の帯に見えるそうだ。

先日、テレビでこの野川のことを紹介をしていた。今でも、東京で川遊びができる数少ない川だそうだ。水があるところ、いろいろな生き物が棲む。水って凄い力を持っている。

随分前になるが、野川北公園に遊びに行ったことがある。自然をそのまま残した公園として有名で、野川で沢がにや虫などを探して遊ぶことができる。田舎育ちの私にとっては、珍しいことではないが、遊具で遊ぶことになれている都会っ子の息子たちには、戸惑いも大きかったようだ。「また、行こう」とは言わなかったので、一回きりになってしまった。

自然の中で遊ぶと、工夫がいる。遊びは、自分で考えなくてはならない。そんな経験を幼いころから積み重ねて、人には「力」がついていく。今は、都会っ子も田舎の子も大差ない。田舎の子供が自然の中で遊ぶなどというのは妄想で、みんなゲームで遊ぶ。

今更、あれこれ嘆いても仕方ないが、子供たちが大きくなってあれこれ考えても追いつかないことがいっぱいある。子供たちが少しくらい嫌がっても、自然の中で遊ぶことの面白さが分かるまで、野川につれて行けばよかった、と少々後悔している。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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