41回目の結婚記念日

つむじかぜ292号より


先週、2004年の5月にブータンへご一緒したAさんとお会いした。いつもご夫妻で一緒に旅をされていて、弊社では、ネパール、ペルー、ブータン、モロッコ、チベットなどに行かれている。毎年、夏や冬の旅行シーズンが終わった後に行っている「ツアーメイト大集合」にも、しばしば顔を出してくださっていた。旅好きで気さくなお二人とは、お会いしては、取りとめもない話をしていた。

そのAさんから、先日、お手紙を戴いた。「あれ、何だろう?」と不思議に思いながら封を開けると、奥様のKさんの写真が入っていた。「え?」一瞬ドキっとし嫌な予感がした。案の定、同封されたお手紙には、Kさんが5月にお亡くなりになったことが記されていた。

何でも昨年の夏から体調を崩され、検査入院されたところカルチノイドと診断されたが、今すぐどうこうという話ではなかったので、のんびり構えていたら、急変し、余命数ヶ月と宣告されてしまったそうだ。

5月に少し体調がよくなったので、日帰りで帰宅され、ほんの一時だったが、家でのんびりだれたそうだ。ほとんど、会話はできなくなっていたそうだが、嬉しそうに頷いておられたという。さぞや、安心されたのだろう。夕方、Aさんがご自分の車に乗せ病院に戻る途中、息を引き取られたそうだ。

「癌もどきの病気にやられちゃったが、ちょうど41回目の結婚記念日にあの世に行ったよ。不思議だねえ。」とAさんは、淡々とおっしゃっていた。

ご夫妻で30回、旅に出られたそうだ。Kさんは、ネパールがお好きで、もう一度、ゴレパニトレッキング行って、のんびり「つきのいえ」と「はなのいえ」で過ごしたい、そうおっしゃっていたそうだ。心からご冥福を祈ります。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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