東京に45年ぶりの大雪

つむじかぜ466号より


先週の土曜日、ずいぶん久しぶりに東京に大雪が降った。私は、その日、名古屋から大阪に向かい日曜日の昼前に東京に戻ったが、テレビニュースで断片的にしか東京の様子を見ていなかったので、あまり実感はなかった。家の近くの最寄駅に着いて外に出て、30cm近く積もった雪を踏みしめて初めてその凄さを感じた。

土曜日は、モロッコ行きのお客様が乗るエミレーツ航空が大幅に遅れドバイでも乗り継げずツアースケジュールの変更を余儀なくされている。45年ぶりの大雪だというのだから仕方ないが、お客様は、さぞかしお疲れに違いない。果たして、今日はどうか。この日の成田空港出発のお客様方への影響が案じられた。

じっとしていても落ち着かないので、車を使う予定などなかったが、駐車場の雪かきをすることにした。体を動かしていた方が気がまぎれる。15年ほど前の大雪で慌てて買って一回だけ使い、そのまま仕舞い込んであった雪かき用のシャベルを引っ張り出して駐車場に向かい、自分の車の前の雪をかいた。

60台ほどを収容できる駐車場だが、最初は雪かきをしている人は、数人しかいなかった。しかし、天気もよかったせいだろう。いつの間にか20人ほどに増えてあちこちで話し声もし賑やかになった。雪国の方々には申し訳ないが、まるで雪だるまを作って遊ぶ子供のようだ。どこか気持ちがはしゃいでいる。

案の定、この日の成田は大混乱となった。乗れない人が続出し、宿泊したくてもホテルはどこも満室になった。弊社のお客様も、3名のお客様が成田空港に向かう途中から進めなくなり、東京に戻ることもできなくなってしまった。弊社のスタッフが、車を出して何とか空港まで行ったが、既に飛行機は飛んでしまい一泊。とは言っても、ホテルの部屋はやはり取れず、休憩室のような場所で一晩を明かした。

翌日、振り替え便の交渉に朝から空港へ行き、カウンターであれこれやり取りをするが、航空会社は、当日の乗客を優先するものだから、前日乗れなかった人たちは苛立ち、次第に殺気立ってくる。なんと、弊社のお客様が搭乗するはずだった航空会社は、成田空港のカウンターで対応せず、すべてコールセンター対応に切り替えたので交渉が進まない。もちろん、コールセンターに電話してもまず繋がらない。

それでも粘りに粘って、その日の夜の便に振り替えてもらった。天候に関しては、確かに免責事項だから航空会社に責任はない。しかし、現場での交渉をしないという航空会社は珍しい。まるで諦めろといっているようなものだ。

最近は、航空機の性能も上がり、コンピュータ制御で、定期運行が当り前で、オーバーブックなどまずしない。確かに、乗客にとってこれはありがたいが、一旦、トラブルが起きると、全く対応できない。挙句の果てに、対応を避けてしまう。これで、大丈夫なのだろうか。人間力を上げることも重要なことだと思うのだが、、、。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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