ネット社会は、人の心の弱さを侵食している

つむじかぜ474号より


まるで、芸能界の釈明会見を見ているような感じを受けた。科学上の正否を争うなら、論文の正しさを証明する事実を見せれば、それだけでいいはずだ。

「ミスをしてしまいました。ごめんなさい。悪意はありません。結論は正しいんです。(信じてください)」この人は、科学者なのだろうか?科学の実験は「レシピとコツ」でやるものなのか?疑問は尽きない。

服装がどうの、髪型がどうのと、科学には全く関係のないことをマスコミはあげつらう。これじゃあ、恥の上塗りだ。この件は、海外からも大変注目度が高いはずなのに。マスコミの程度が知れる。

福島の原発事故で、日本の科学への信頼性が崩れ、その原因が、日本人の秘密主義や、非科学的な思考そして非合理的な社会体制にあることが世界に向けて赤裸々に報道されてきたのに、それに輪をかけてしまった。

「競争が激しい生命科学の研究分野では、不正行為も少なくない。国内だけでも最近、東大分子細胞生物学研究所の論文51本で画像の加工などが指摘された。筑波大でも同様の事例が発覚した。」(2014年4月10日、読売新聞社説より抜粋)

この社説で指摘しているように、氷山の一角であり、起こるべくして起こったと私は思う。どれ位大きな氷山なのか、幾つ氷山があるのか、違う種類の氷山もあるのか。懸念は広がるばかりで。

ネット社会は、まるで、人間の脆弱性をもてあそぶように、様々な弊害を齎しつつある。メールでの個人攻撃をするメール禍、LINEで起きる仲間外し、現実逃避、どれをとっても、本来は、正常な人間関係が成立していれば起こらないような問題だ。「ネット社会は、人の心の弱さを侵食している」それがキーワードだと思う。

ある大学の先生が私に嘆く。「一番の問題は、コピペが悪いことだという感覚が、学生にはないことだ。まして、恥ずかしいなんて思わないし、見つかったら運が悪かったくらいにしか思わないんだよ」

別に犯罪になるわけでもない。しかし、昔の人は「嘘つきは、泥棒のはじまり」と言った。自分を自分で律する。そんな大人でありたいものだ。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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