大阪出張にて

つむじかぜ482号より

先月の22日、昼過ぎから行われる説明会の会場になっている天満研修センターへ向かうために、大阪駅近くのモントレーホテルを出た。大阪駅から環状線で一駅だというから、歩きも入れて20分もあれば十分間に合う と思ったが、初めて行く場所だから少し早めにホテルを出た。

「ここは、大阪の梅田から本当に一駅なのか?」天満駅の改札を出て思わずひとり、ごちてしまった。梅田のこんな近くに“The 大阪”があったと は知らなかった。時間もあったので、駅の周辺を探索してみた。平日のまだ、昼を少し過ぎたばかりなのに、駅前の串揚屋は満員。これから、説明会に向かう身としては、なんともうらやましい光景であった。

説明会は、15時過ぎに終わり、後は東京に帰るだけ。同じように東京から来ていた知人二人と、この串揚屋に寄ることにした。二人とも、私同様、この串揚屋が気になっていたという。言い訳がましく聞こえるかもしれないが、飛行機の時間までかなり時間があったので時間調整をしたまでだ。もっとも、こんな時間調整なら大歓迎である。

最近は、東京大阪間の出張には、旅行会社が出している格安パックツアーを使う場合が多い。知人二人は、いずれも旅行会社の人間である。自社でそんな手配は安くできるだろう、と思われるかもしれないが、最近は、旅行会社のスタッフ用の割引航空券もほとんどなく、あったとしても予約ができないスタンバイ航空券だったりするので日程にゆとりがないと使えない。それゆえ、経費削減のために、こうしたパッケージを使うケースが多い。その結果、飛行機の時間は、夕方のいい時間は使えず、夜の便になる。しかも、変更ができない。したがって、時間調整が必要になってくるというわけだ。

そんな話はともかく、外はまだ明るい平日から“不謹慎”にも串揚げで一杯やりながら、あれこれ真剣に、本当に真剣に仕事の話をした。時間にすれば二時間弱だったが、3人とも、東京の人間だから、頼み方もぎこちなく、“○○ってどんなの?”などと聞きながら、随分たくさん注文した。

揚げ物は、太るから禁物だが、ついその美味さに負けて、パクパク食べてしまった。まだ30歳くらいだろうか。接客言葉などまったく使わないお兄ちゃんが、てきぱきとサーブしてくれた。今時のマニュアル化された“笑顔”の接客より、よほど気持ちがいい。私たちのようにカウンターで三人であれこれしゃべっているような客はおらず、ほとんどの客が一人呑みだ。そう、一人呑みが似合う店だ。

いい心持になって、さあ、帰ろうと〆てみたら三人で七千円ちょっと。東京だって探せばあるのかもしれないが、最近の私の経験では、こういう屋台のような雰囲気の店ほど、理由もなく値段が高くて辟易とすることが多い。大阪には、時々行くから、梅田でなく、天満でも、他でもいいから、
“The 大阪”へ行きたいものだ。もちろん、夜、仕事が終わってからの話である。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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