高校無償化

*風のメルマガ「つむじかぜ」580号より転載

A駅の改札を出たところで知人と待ち合わせをした。少し早くA駅に着いたので街路樹を囲うコンクリートの縁に腰かけて待つことにした。すると、駅前の広場で、高校無償化から朝鮮学校が排除されていることへの抗議のチラシを撒いていたので、一枚もらって読んでみた。

何故だろう。朝鮮学校が学校教育法上では各種学校に当たるからだろうか。チラシを読んでも排除されている理由はよくわからなかった。情宣活動をしていた女性は、「日本で生まれ育った在日の朝鮮人が、日本の子供たちと同じように部活動もし勉強もしている。是非、無償化を!」とマイクで訴えていた。

チラシを見て、改めて、朝鮮学校が日本に64箇所あり、そのうち高校は10校あることを知った。私の家のそばにも、立川市だが、西東京朝鮮第一初中級学校があるし、玉川上水を30分ほど歩けば朝鮮大学校もある。

先日、大学生に『GO』(金城 一紀著、角川文庫)を読ませた。あれこれ在日朝鮮人に関することを尋ねてみたが、その存在すらも全く知らない。強制連行も何もかもほとんど初めて聞いたような口ぶりだ。いろいろ聞いてみると、日本史は、高校では選択しなかったという学生が大勢いた。現在は、拉致問題もあり、かなり複雑になっているので、この件をあまりこの場で掘り下げることは難しいが、全く知らない大学生が大勢いるという事実には、正直、大変な危機感を覚える。

話は変わるが、いつから高校は無償化になったのだろう。新聞で読んだような気もするが、私自身には該当しなかったので、覚えていなかったのかもしれない。調べてみると「就学支援金支給制度」のことを指している。平成26年に改訂され、家族の収入で金額を段階を設けて、収入が少なければ通常の2.5倍まで支援金が受けられる制度になっている。その額は、一番少ない支援金でも月額9,600円が支給される。2.5倍なら24,000円である。平成24年度ではあるが、157,6億円の国家予算が組まれている。但し、年収910万円(目安)以上は対象外だそうだ。

高校は、義務教育ではないが、その進学率は、ほぼ100%に近い。そういう背景があってのことなのだろうが、それにしても大変な金額である。私は、子供手当も何もかも公的援助を受けたことがない。だから、なんだかとても不思議な感じがする。

ゆとり教育に別れを告げると文科省はいうが、相変わらず、高校では日本史は選択なのだろうか。無償化云々とは別のことだが、こんなことしていれば、足元が揺らぐ。日本人の頭の中は、LINEニュースのように、エンタメ化して溶解してしまいそうだ。私一人焦っても仕方ないのだが、、、


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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