翻訳こんにゃく

*風のメルマガ「つむじかぜ」605号より転載

グーグルの翻訳が今年の9月に変わり、その機能の凄さが話題になっている。使ってみて驚いた。今までよりスムーズな英語に翻訳される。私自身が、英語に熟達しているわけではないので、実はよくわからないのだが明らかに違う。

グーグルは9月に、ニューラル機械翻訳のシステム「Google Neural Machine Translation(GNMT)の提供を開始した。自らの仕組みを自動改良できるのだそうだ。

また、従来は、個々のフレーズや単語に注目して翻訳していたが、新しい「グーグル翻訳」は文章全体に注目する。これだけなら、そうかで終わるのだが以下の解説を読んで驚愕した。

開発に携わった研究者たちは、数カ月のテスト期間を経て、この人工知能(AI)は翻訳対象のなかに学習したことのない言語が含まれている場合でも翻訳できることを確認した。「韓国語から日本語、あるいは韓国語から日本語への例をシステムに学習させていなかったのに、韓国語-日本語間の翻訳が行えた」。とグーグルのAI開発プロジェクトチーム「グーグル・ブレイン」のマイク・シュースターがブログで 述べていいる。また、ポルトガル語から英語へ、英語からスペイン語への翻訳を学習させたことで、 ポルトガル語とスペイン語間の翻訳ができるようになったと同研究チームの論文には書かれている。(以上は、WIREDのHPを参照)

仕組みの説明もあったが私には理解できない。しかし、こんなことが可能ならなら扱える言語数を限りなく増やせることになる。しかもAIが勝手に学習するということらしい。なんだか、とんでもないことが起きているようだ。外国語を学ぶ必要がなくなる?そんな予感すらする。しかも、この技術は、無料で世界中が使うことが可能なのだ。

到底比較にはならないが、旅行業界でもようやく「I oT」の時代への対応が模索され始めた。JTBが10/3、IT・家電見本市シーテック・ジャパン2016で、ロボットを活用した「近未来型スマート 店舗」を展示した。スマート店舗は、主催者特別企画展示「IoTタウン」に展示した そうだ。今の段階では、何ができるというより可能性を模索しているということだろうが、具体像は全く見えない。

自動翻訳は、確か、最も難しい分野だといわれていたと思う。しかし、ここまで来ると、イヤホン大の自動翻訳機ができて違う言語で会話ができる、そんな時代が遠からずやってくるかもしれない。

私は、AIなんて私が生きている間は関係ないと思っていた、と先日もここに書いた。
私が英会話上級者になれる可能性は極めて低いが、多言語自動会話装置ができるのは、遥かに可能性が高いような気がしてきた。そう、『翻訳こんにゃく』である。これで、人間は勉強しなくなるという心配はあるが、世界中の人と話ができたらこんな素晴らしいことはない。是非、実現してほしい。


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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