正月の過ごし方

*風のメルマガ「つむじかぜ」706号より転載

正月は私の生家である信州の飯田に帰省するのが常だったが、今年から、息子たちが帰省するのを我が家で待つ身になった。家内が旅行で年末年始を留守にしたので、私と息子二人、近くに住む祖母の4人で“お年取り”をした。

とはいっても、長男は31日の夕方7時まで仕事が入っていたので、4人が揃ったのは31日の夜の9時過ぎ。ビールにワイン。久々に話も弾んだが、二人とも仕事はなかなか大変そうである。

正月だからといって特別なことは何もないのだが、料理くらいは作ろうと思い元旦の朝は雑煮にした。田舎から送ってきた里芋、白菜、買い置いてある人参、大根を入れて鶏肉を加えた醤油ベースのお雑煮だ。紅白の蒲鉾、三つ葉、ゆずの皮も刻んで用意した。

仕事柄、次男は元旦にもかかわらず8時までに出勤だというので、5時半から調理を始め6時半に食べさせた。長男は休みだから起きてくるまで寝かせておいたら昼になってしまった。私は、朝昼、雑煮を食べることになった。

雑煮の主役は餅だと思う。ビニールに一つ一つ包まれスーパーで売っている餅は、カビも生えず長持ちするが、昔の餅に比べたら柔らかいだけで味がない。実は私の生家は、手間賃を貰って正月の餅をついていた。いわば、その道のプロである。

私が好きだったのは豆(乾燥した大豆)が入っている“あられ”だ。とはいってもあの油で揚げたあられ餅とは違う。米粒が確認できるような状態の餅で、うるち米を使ったものだと思う。

形は長さ40cmくらいの蒲鉾状。少し乾燥したら蒲鉾の様に1cmくらいの厚さに切る。幅が通常の蒲鉾の倍くらいはある切り餅が出来上がる。雑煮でもいいし磯部餅にしても美味しい。歯ごたえがあってしっかりとした味がする。そんな餅は、もう手に入らないかもしれない。

午後は、長男と二人でスーパー銭湯に行った。最近よく訪れるので年末年始も無休で営業していると知っていたが、時節柄か、働き手の確保が難しいという話題になった。長男も食品を販売する店舗を持った会社に勤めているので他人事ではないのだろう。

帰路、夕飯のおかずを買い足そうとスーパーに寄ったら3日からの営業だという。参ったなあとは思ったが、それでいいのだとほっとした気持ちになった。世の中、やっとUターンし始めたようだ。

遅くなりましたが、本年も、何卒、よろしくお願い申し上げます。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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