フライトキャンセル

*風のメルマガ「つむじかぜ」735号より転載

今日午前、台風10号が四国に上陸し、夕方になってようやく日本海に抜けると予測されている。弊社では、幸いにも今日だけは出発するツアーがなかったが、昨日まで、そして明日からはモンゴル、チベット、モロッコなどへとツアーが出発していく。夏のピークシーズンにこんなことは珍しいのだがほっと胸をなでおろしている。
しかし、関空に帰ってこられないお客様が出てしまった。3日ほど前から心配はしていたが、飛行機が飛ぶか否かは直前までわからない上に、欠航が決まらないと振替便の手続きもしてくれないから、私ども旅行会社としては航空会社の決定を待つしかない。
もし、欠航が決まる前に航路や搭乗日を変更すれば、それは航空券を別購入する必要がある。お客様が、どうしてもそうしたいと仰るなら弊社では最大限、代替便の手配をするが、通常はあれこれ現地と連絡を取りながら待つしかない。
今回は、お客様と相談の上、ガイドが羽田便への振替便を航空会社と交渉して確保し事なきを得た。羽田からは夜行バスで関西へ向かわれるそうだ。長時間待の移動で体調を崩さないよう祈るばかりである。
先週は、台風9号が上海を直撃したために上海便が欠航になり、チベットツアーを泣く泣くツアーキャンセルした。欠航といっても翌日の代替便を用意してくれるのかと思っていたら、一切の交渉を航空会社は断ってしまったので何もできなかったのである。こんなことは30年近くこの仕事をしてきて初めてだ。情報では、この日この航空会社だけでも5便の上海便が日本からあり、対応しきれずにギブアップしてしまったらしい。
お客様からは、こんなことは毎年あることなのだから、そういう場合の対応も考えておくべきだというご指摘もあるが、ツアーが出発する直前で発券済みの航空券をキャンセルして、新しい航空券を買いなおすことは費用が掛かりすぎて到底できない。席の確保も難しい。あくまで航空会社が代替便を用意するのが原則である。それが成り立たないとツアーなどできるはずがない。
まだ、台風シーズンはこれからである。9月に入れば関東にやってくる。成田空港に直撃すれば影響は大きい。最近は電車も早めに運休を決めてしまう。今回、四国ではJRが全線運休となった。空港に行けないのに飛行機が飛べば、航空券代金も戻っては来ない。こういう事態を避けるには、早めの移動、対応が必要になる。10月、否、冬の声を聞くまで心配は尽きない。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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