テレビの買い替え

*風のメルマガ「つむじかぜ」736号より転載

スイッチの接触不良だろうか。テレビがときどき消えてしまうので、本当は修理を呼びたかったが、買ってから10年以上経ったテレビを修理してくれと頼んでも部品がないなどといわれ、新しいテレビを勧められるのが落ちである。修理に来てもらった手前断り切れないなどという煩わしさを避け、最初から新しいものを買うことにした。
時代は4K、8Kということだから結構な出費になると思っていたら、8/19の朝日新聞の朝刊で、“4K放送画面が暗い?”という記事が掲載され、購入にストップがかかった。60代の男性が、オリンピックを観戦しようと50万円ほどかけて58インチの大型テレビとチューナーを買ったが、画面が暗い。メーカーの社員に自宅まで来てもらったが修理はできないといわれたというのだ。
4K放送を推進する放送サービス高度化推進協会では、5月末までに4Kテレビに関して5042件の相談がよせられ、画面が暗いという相談が82件あったそうだ。原因は、いくつかあるようだが、テレビには「輝度」というものがあり、家庭用テレビでは、この輝度が足りず暗く感じるということらしい。また2Kテレビの性能が上がりバックライトの光度が改善され画面が非常に明るくなったのに比べると、どうしても暗いと感じてしまうらしい。
輝度はメーカーによっても違うらしいが公表されていない。また、NHKは4K放送はすべて4K放送用機材で撮影しているが、民間では2K用の機材で撮影したものを4Kに変換している場合が多く、これも画面の明るさに影響しているそうだ。
しかし、そんなことは発売前から分かりそうなものではないか。なんと、オリンピック が決まったことで、2020年開始予定を2018年12月に前倒しして販売したために、4K放送が家庭用のテレビでどう映るのか十分検証しないままスタートしてしまったというのである。オリンピック前の買い替え需要に期待してのことかもしれないが少々お粗末すぎはしまいか。
既に、6月末までに685万台も出荷されているそうだが、今のとところ修理は不可。購入した人たちの怒りを、どうやって収めるのだろうか。私も、この記事が載らなかったら間違いなく4Kテレビを買っていた。もともと、奇麗な画面でテレビを観たいなどと思っていたわけではないので、迷うことなく2Kを数万円で買うことにした。
ところで、2Kテレビは売っているのだろうか? あったとしても、量販店のテレビコーナーの隅っこに何台か置いてあるに過ぎないだろう。便利なようで不便である。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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