雰囲気で変わる日本人

岸田首相が実務に復帰した。4回目のワクチン接種を受けていた首相ですらコロナに感染してしまうのだから、やっぱりワクチンは効かないという疑念が広がり、接種のキャンセルが増えているという。しかし、その本当の理由は、オミクロン株用のワクチンが10月に前倒しになるなら4回目をパスしてオミクロン株用のワクチンを打ちたいということにあるらしい。いくら重症化は防げるといわれても、ワクチンへの期待感は、やはり感染を防ぐことにあるということだ。

雇用調整助成金の特例も11月末まで延長されたが、1日の上限が15,000円から12,000円に減額される。助成率は変わらなかったが、次第に、特例自体が廃止されるのではないかと不安が募る。6月から再開した海外旅行も、その売上は2019年比20%に満たない。10月からの下期は水際対策の緩和が進み、航空会社の路線も増えてきているので、もう少し回復するだろうが、好調に進んでも30%くらいとみている。

それでも弊社にとっては、キャセイ航空がネパールへのフライトを増便させ、コロナ以前と同じように成田、羽田、名古屋、大阪から行けるようになることは何よりも嬉しい。やっとネパールへのツアーが落ち着いて組めそうである。

一方、もう一つ全く緩和が進んでいない分野がある。報道すらされないが、今、日本の海からの玄関口は全く開いていないということを御存じだろうか。港から外国人が日本に上陸することは全く出来ない。港の入国手続きが再開されていないからである。そのために、弊社でも取り扱っている外国船の日本一周クルーズが催行できない。やはり、あの2020年2月のダイヤモンドプリンセス号の船内集団感染が大きく影響しているようだが、何とかしないとクルーズを扱う会社はそろそろ限界である。

この間、モンゴルとあれこれやり取りをしているが、モンゴルでは、もはやコロナは忌避すべき感染症とは意識されていない。インフルエンザ並みの普通の病気になっている。かかったら薬を飲んで暫くおとなしくしていればいいという程度の認識だ。モンゴルでは以前から風邪にかかると薬局で売っている抗ウィルス薬を買って飲んでいる。お湯に溶かして飲む、生姜をベースにした熱を下げるための“薬”もある。私もこれを飲んだことがあるが、寝る前に飲むと寝ている間に汗が噴き出て熱が下がる。実にいい。コロナへの対処も風邪とほとんど変わらない。

その国の国民性や意識の問題なのだろうが、やはり国の指導者の考え方と導き方によって大きく違う。そしてマスコミだ。日本では、相変わらずの報道で、自粛ムードはなかなか消えない。それでも、日本人は、理屈では変わらないが雰囲気で変わる。それがいいとは言えないかもしれないが、どこかを潮目にもう一段、雰囲気が変われば意外とすんなり雪解けになるかもしれない。期待したい。

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