本物は残る

インテック大阪で「ツーリズムEXPOジャパン2023大阪・関西」が今日から始まった。大阪での開催は2019年以来4年ぶり2回目になる。2019年は、コロナ前。日本人の海外渡航者数が2,000万人を初めて超えた年である。とはいえ、東京のビックサイトでの開催に比べると小規模感は否めなかった。

しかし、今回は、ブースが1,400を超え、参加団体も1,200近くになり、昨年の東京での開催を凌ぐ規模になった。今日と明日は業界関係者を集めての様々な会議や商談会が行われるが、10月28日、29日の土曜日曜は一般来場日になっている。弊社は出店していないが、是非、足をお運び頂き海外旅行への思いを膨らませて頂きたい。

今日は、朝8時半に会場集合だったので、昨日、会場前のホテルに入った。夜には、以前、弊社のスタッフだった中台雅子さんと会った。というのも、彼女が今働いている株式会社コラレアルチザンジャパン(以下、コラレ)が、「観光客と職人の新たな付き合い方」による伝統工芸の再興という取り組みで、第7回ジャパン・ツーリズム・アワードの観光庁長官賞を受賞し、その立役者の中台さんとコラレの社長さんを囲んでお祝いの会をやるから出て欲しいと誘われたからだ。

コラレが拠点を置く南砺に井波という古い町がある。とやま観光ナビでは次のように紹介されている。

「南砺市井波は富山県の南西部に位置する小さな町で、2018年に「宮大工の鑿(のみ)一丁から生まれた木彫刻美術館・井波」として日本遺産に認定されました。井波彫刻の歴史は250年前にさかのぼります。京都から『井波別院 瑞泉寺』の建立に派遣された宮大工が、地元の人に技を伝えたことで発展を遂げたといいます。現在、井波には『瑞泉寺』の表参道にあたる八日町通りを中心に約200名の彫刻師が暮らし、職人たちが技を守っています。」

つまり、井波は木彫り職人の街として歴史を彩ってきたのである。この職人の技を活かす方法はないかと考えた結果、木屑からエッセンシャルオイルを抽出し、旅の香りとして持ち帰れるようにしようと思いつき、CANO(カノ)というブランドを立ち上げ、スプレーの蓋を木彫でつくり、木の香りを瓶詰にした。

実は中台さんは、コロナ前に訪日外国人を相手としたガイド業をしようと準備していた。さあ、会社を立ち上げようという矢先にコロナになった。起業は断念したが、お陰でコラレに出会い今に至っている。

人生、何が幸いするか分からない。しかし、どんなチャンスも、自ら選び取らないと自分のものにはならない。目の前にチャンスがやってきても、やり過ごしたら何も変わらない。彼女も、もう40歳半ばになる。新しい人生に根がはれそうな様子で大変うれしい。いつか花開くと期待していたが、しっかりした芯が育っていたのだろう。惜しむらくは、今は、弊社のスタッフではないことだが、頑張ってほしい。

ツーリズムEXPOも、今年はインドがメインスポンサーに名乗りを上げた。今、アジアが再度注目され始めている。ロシアのウクライナ侵攻に加え、中東への不安が募ってきたこともあるが、それ以上に、コロナで大きく世界が変わったことも確かである。変化に対応したものだけが生き残ると、ダーウィンは明言を残しているが、変わるだけでは生き残れない。表面は変わっても、頑固に自分が信じることをやり続けれる強さも要る。本物は残ると私は思う。変化への対応は、次の世代に任せたい。

シェアする

コメントを残す

※メールアドレスが公開されることはありません。