宮内の「モンゴル・ホームステイ」体験記

文●宮内 愛(大阪支店)


ホームステイ中の一番の遊び相手

モンゴルの自然や遊牧民の人の生活を知りたい、乗馬以外にも何かモンゴルらしい体験をしてみたい、という方にはホームステイなんて如何ですか?

ホームステイ中は基本的にはプログラムはありません。
何もすることがなくて退屈なんじゃないか、面白くないんじゃないかと思ってしまうかもしれませんが、こんなに時間が過ぎるのが早いのかとびっくりするくらいにモンゴルの夏はやることがいっぱいです。そして、自然と生きていることを実感できる特別な体験が出来ます。
私が体験したある夏のモンゴル草原の朝を紹介します。

朝6時半、揺り起こされて目覚めると、ステイ先のお母さんと12歳の娘ゾラーはすでに身支度を済ませて外に出るところ。夏でも草原の朝は冷え込むので冷たい水で顔を洗ったらすぐにジャンパーを羽織り、長靴を履いて後を追いました。
朝一番の仕事は牛達の乳搾り。子牛を囲っている柵の近くに夜のうちに牛の群れが集まってきて、眠そうに地面に座り込んで反芻をしています。


子牛のお乳をちょっと拝借

ゾラーと私は群れの中からメス牛を見つけて子牛の隣の柵に追い込んでいきますが、どの牛がメス牛なのか私はさっぱり見分けがつかず、片っ端から寝ている牛を立たせては乳房があるかどうか覗き込まないと分からないし、いっこうに集められません。

「エクチェー!(お姉さん!)、その後ろに寝てるのウネー(メス牛)だよ!」
「えっ、この牛?」
「ちがうちがう。それはシャル(去勢オス牛)だよ。そのとなり。」
「これ?角が小さいやつ?」
「そうそう。その向こうに寝ているのもウネー。一緒に連れてきて。」

ゾラーに大変じゃないかと聞くと、牛の顔を全部覚えているのでどれがメス牛かすぐに分かるので難しくないといいます。草原では5歳くらいで見分けられるようになるそうです。
私は十何年も彼女より長く生きているはずなのに、牛の顔を見分けたり、天気を読んだり、火を起こしたりすら出来ずに草原では役に立たたずに教えてもらうことばかりです。

1時間くらいで搾乳を終わらせると、お母さんは朝ごはんの準備にゲルに戻り、私とゾラーは搾ったばかりのバケツの牛乳から乳製品作りを始めます。ここフブスグル県ではポピュラーだという「マシン」と呼ばれる人力遠心分離装置に生乳をいれ、生クリームのような乳脂肪が高い乳と脱脂乳に分けていきます。
前者からバターやツツギーと呼ばれる濃厚な乳製品ができ、後者は発酵させ、そこからお酒やチーズといったいくつもの食品に変身させていきます。何リットルもの乳をすべて遠心分離装置に掛ける作業は、単純だけれども力と根性がいる作業で、ゾラーと私で代わりばんこに機械をまわします。


搾った牛乳を遠心分離に掛ける作業

「ねぇ、日本には木ははえてるの?」
「もちろんあるよ。山もあるよ。」
「そうなんだ。野菜もとれるの?」
「とれるよ。お米も作ってるよ。」
「テレビではビルしか映らないし、草は生えないかと思ってた。」
なんていう会話をしながら回していると、乳が遠心分離にかかって濃い乳と薄い乳に分かれてそれぞれ鍋にたまっていきました。

マシン作業が終了し、一段落したころにやっと朝ごはんの時間。
朝食はお母さん自慢の温かい塩入乳茶(スーテーツァイ)とパン。
出来たばかりのツツギーをぬったパンはびっくりするくらい美味しい。

都会の忙しさから離れて草原でゆっくり出来ると思っていたけれど、思っていた以上にいろいろとすることが多く、大変です。でも、何でも美味しく感じ、夜はぐっすり眠れてしまう、不思議な場所になるはずです。

この体験をもっと知りたい! という方はこちらもお読み下さい

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