乗馬研修レポート モンゴル人が巨大サラブレッドに乗ると…?

風の旅行社では「乗馬を教えられるスタッフ」を重要視しています。かつてモンゴル乗馬は“習うより慣れろ”というスタイルが当たり前でしたが、それでは初心者の方が安心・安全に乗馬を楽むことはできません。

今回は来日中のエールカ(日本語ガイド)、カシ(ドライバー)、ムギー(ほしのいえ乗馬リーダー)の3名とともに、研修のため千葉県の「乗馬倶楽部イグレット」さんへお邪魔しました。

日本とモンゴルとの乗馬の違いとは?

沼田さんと集合写真沼田さんと集合写真

研修にご協力いただいたのは、弊社の手配で何度もモンゴルへ行かれている主任インストラクターの沼田拓馬さん。日本とモンゴルとの乗馬の指導方法の違いについてお話しいただきました。

中でも個人的に興味深かったのは、“モンゴルの馬は重心が低く省エネ走行が得意だ”という話。身体全体を使ってしなやかに走るサラブレッドに比べ、モンゴル馬は速いテンポで脚をストライドさせて走ります。

無駄なエネルギー消費を抑えスタミナ性に優れているものの、上下動が細かいため騎乗者が立ったり座ったりを繰り返す「軽速歩(rising trot)」には不向きだそうです。なるほど、それでモンゴルでは立ち乗りが一般的なんですね。

実録! モンゴル人がサラブレッドに乗ってみた

いよいよお待ちかね、実際に騎乗しブリティッシュスタイルでの操作を教えてもらいます。

この日、用意していただいたのは見るからに俊敏そうなサラブレッド。聞けばもともと中央競馬で勝ったこともある「ジャガンツ」という競走馬だということで、きっと、ポニーサイズの馬にしか乗ったことのないモンゴル人は大いにビビっていることでしょう。

まずは一番若手のムギーからレッスン開始! おぉ、さすが「ほしのいえ」の乗馬リーダーだけあり、馬のサイズを苦にもせずコントロールしています。イグレットのインストラクターさんからも「上手! 速歩で腰が浮かない!」とお褒めの言葉が飛び出していました。くそー、羨ましいぞムギー。

インストラクターに褒められるムギーインストラクターに褒められるムギー

続いてはドライバーのカシ。私は密かに「デリカと違って馬の運転はそう容易くないぜ!」と、ほくそ笑んでいたのですが、またがった瞬間に短鞭をふるって駈歩発進(あとで聞いたら遊牧民出身なんだそう)。そして我らが大将・現役遊牧民ガイドのエールカは、馬がお尻を振っても動じることなく沼田さんの後を追っていきます。なんという安定感……!

結果として、誰一人サラブレッドに怖がることはありませんでした。モンゴル人の乗馬テクニック、わかっちゃいたけどさすがです。

馬とセルフィーするドライバーのカシ馬とセルフィーするドライバーのカシ

乗馬よりモンゴル人チームが喜んだのは…

はじめて乗ったサラブレッドに大興奮だったのはもちろんですが、この日、モンゴル人メンバーが一番面白がっていたのは「馬のニンジンあげ」。

奥様の藍子さんの愛馬・ポックルクン君奥様の藍子さんの愛馬・ポックルクン君

実はモンゴルの馬、人間の手から餌を食べません。ニンジンを鼻の前に差し出しても顔を反らせてしまうのです。一方、ニンジンを地面に置くと美味しそうに食べるので、餌だと認識していないわけではありません。「人間なんかと仲良くするかっ!」というモンゴル馬のプライドの高さが伺えますね。

馬のベテラン揃いであるのにもかかわらず、なんと自分の手で馬に餌をあげるのは全員はじめてだったようです。それにしても、ニコニコしながら馬にニンジンをあげるおじさん達は微笑ましかったなぁ。

今シーズンも安全・安心なモンゴル乗馬を心がけます!

そんなこんなで、大盛りあがりの乗馬研修を終えました。乗馬倶楽部イグレットの皆さん、本当にありがとうございました。貴重な経験をモンゴル乗馬ツアーにフィードバックしていきます!

おまけに小江戸・佐原を観光おまけに小江戸・佐原を観光

シェアする

コメント一覧

研修お疲れさまでした。 常にスタッフやツアー内容のレベルアップに取り組んでいて、それが安心して参加できる理由でもあると思います。 乗馬デビューはモンゴル(残念ながら風以外のツアー)、かつモンゴル以外の乗馬経験はあまりなく、ずっと初心者のまま?の私ですが、サラブレッドや木曽馬?にも乗ったことがあります。「「軽速歩(rising trot)」には不向き」というのはなんとなくわかる気がします。下手なりにでも走っている時のほうが乗りやすい(かなり必死ではありますが)気がしていました。 記事を読んで、ますますモンゴル乗馬に行きたくなりました。

土橋 京子2023.02.13 07:38 pm

土橋様、コメントありがとうございます! 何を隠そう私もサラブレッドに乗るのははじめてだったのですが、賢いお馬さんのおかげで駈歩まで出させてもらいました。日本の馬も「チョウ!」というモンゴル語(?)を理解できるみたいですよ。

スタッフの声2023.02.16 01:27 pm

コメントを残す

※メールアドレスが公開されることはありません。