今回はクチャの写真が届きました。

キジル千仏洞17窟 捨身飼虎(中央の青いひし形の中に横たわる男性とそれを食らう虎の母子が見える)
2年前までは、石窟内の写真撮影も可能だったキジル千仏洞17窟の1枚です。
17窟には釈迦の前世の物語(本生譚ほんしょうたん)がいくつも描かれているそうですが、その1つ捨身飼虎の絵です。
飢えて小虎に乳をあげられない虎の母子に自分を食べさせる決心をして身を投げ出した場面を描いています。ひし形に区切った空間に1つのテーマを描くはこのあたりの意匠だそうで、テーマは同じでも、唐支配に近い地域(敦煌など)と当時のクチャ(亀茲国=インド=ヨーロッパ語族の国)では、見せ方、描き方が違っていたそうです。
聞くところでは、黒くなったところは元々赤い顔料が塗られていたのが酸化したそうな。CG加工で赤く塗り直してみたら、きっと色鮮やかさが違うことでしょう。今も残る青とエメラルドグリーンはそれぞれ『ラピスラズリ』と『孔雀石』を顔料にしていると。ラピスラズリは中国を経て「瑠璃」と呼ばれ、私の住む奈良にも浄瑠璃寺というお寺もあります。孔雀石は聞きなれない石ですが、検索してみれば、きれいなエメラルドグリーンの画像が出てきました。その顔料は古くは「青丹(あおに)」と呼ばれたとか。奈良の枕詞ってこんなきれいな色だったんですね。

仏典漢訳で有名な鳩摩羅什(くまらじゅう)三蔵法師はクチャ出身(4世紀頃の人)