【風スタッフ近況】魚びたりの生活

港に到着後、仕事のフリをする私

港に到着後、仕事のフリをする私

4月より相模湾でシラス漁師のお手伝いをしています。一応、神奈川が地元ではあるものの、特段以前から海と繋がりがあったわけではなく、ごく一般的にハローワーク インターネットサービスで見つけたアルバイトです。ネタとしてインパクトがあったからかNHKニュースに取り上げていただいたのは、今になってみると良い思い出です。それから2ヶ月半。漁師はガテン系の側面が大きく、やはり肉体的に楽な仕事ではないという事をあらためて感じています。一方で就業時間は夜明けから8〜9時くらいまでと短時間なのに加え、波風の影響や卸先の都合などにより、急遽、漁に出れなくなるケースもあるため、時給制の雇用形態では「疲労と収入が比例しないなぁ」とボヤきたくなるのが正直なところ。

しかしこの副業、個人的には大変気に入っています。日の出とともに海に出るのは気持ちが良いものですし、網にかかった様々なお魚を「おかず」として持ち帰れるのも嬉しいポイント。他の漁師さんからいただいた季節外れのアンコウを吊るし切りにしたり、身幅が指1本くらいの極細タチウオを三枚に卸したり、逆に体長60cmくらいある巨大アナゴを煮付けにしたり、シンクを埋め尽くす数百匹のシコイワシを手開きにしたり、詳しく書くと怒られそうな丸っこい毒魚のアイツを刺身にしたりと、ギョギョっとするほど魚まみれの日々が続いています。普通に暮らしていたら一生経験できなかった事柄ばかりですので、正直、毎日がエキサイティングですごく楽しい。この向かい風を逆に楽しんでやろうという気概です。

捌くのには成功したものの、小骨が多くて食べるのには難儀

捌くのには成功したものの、小骨が多くて食べるのには難儀

「そもそもなんで副業に漁師を選んだの!?」を意識高い感じに説明すると、「海外から見た日本人の魚好きイメージに感化されたから」とでも言えるでしょうか。ニンジャやゲイシャにも通じる少々ステレオタイプな感覚かもしれませんが、どんな国を訪れても、(少なくとも日本びいきの人は)日本人の多くが魚好きという事を知っています。中央アジアのキルギスのガイドさんからは、「キルギス人と日本人って顔がよく似ているでしょ? 実はもともとは同じ民族で、魚を好きな人々が海を渡って日本へ行ったという伝説がキルギスに伝わっているんだよ!」と教わりました。また、モンゴル人は小刀一本で羊の骨付き肉を食べ尽くしますが、日本人にとって肉を骨の髄までキレイに食べるのは至難の業。草原で食卓を囲むときは毎回「さすが大陸の人だなー!」と一種羨望の目で眺めるものですが、一方で魚の食べ方に関しては、ちょっと他所の国の人に負ける気はしません。しかし、日本文化の伝統ともいうべきその魚が、どこでどうやって獲れたのか、どうやって食卓に並ぶのかを、自分の体験談として海外に伝えられる人はそう多くないのではないでしょうか。

親方曰く、シラス漁師として一人前になるには「最低3年かかるな!」との事。あくまでコロナ禍で始めた副業なのでそこまで続けられるかは未知数ですが、少なくともステレオタイプな海外の人を幻滅させないくらいまでには成長したいと思っています。次回のスタッフブログでは、いままで貯めてきた美味しいお魚レシピを大公開。乞うご期待ください!

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コメント一覧

あのNHKニュース観て皆にメールしちゃいました。風大丈夫かなあ!?と思ってた時期だったので、ちょっと安心というか川上さん頑張ってるのね!と嬉しくもあり、もちろん大変だとは思うものの、給料は出るが在宅勤務で差して仕事もなく粛々としている自分としては、新たな体験が出来て羨ましい!!のひとこと。 近いうちに、バージョンUPした川上さんに再開できることを楽しみにしてます。

冨田多香音2020.06.18 10:30 pm

コメントありがとうございます。自分で言うのもなんですが、どんな環境や仕事の中でも楽しさを見つけられるのが特技かなぁと思うようになりました。みんなそれぞれ大変な時を過ごしていると思いますが、新しい生活の中で「新しい楽しみ」を見つけて行きましょうね。再開できる日を心待ちにしております!

スタッフの声2020.06.25 04:26 pm

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