カンボジア、タイ、ブータン、ネパールをぐるっと周って来ました PART3

つむじかぜ168号より


バンコクの次は、ブータンへ飛びました。パロの空港は、狭い谷の底にあります。飛行機は、山の間を縫うようにして右へ左へ舵を取りながら進入していきます。ブータンのナショナルフラッグキャリア・ドゥルク航空のパイロットは、まるで、風を受けながらゆったり舞い降りていく鷲のようにランディングします。

流石に、この空港では、現在の100人乗り程度の飛行機が限界です。そこで、新しい国際空港を南の平原に作ろうという計画が出ています。そうなれば、200人乗り以上の大型機が入れますから、大きくブータンの観光事情は変わります。また、現在は、国内線はありませんが、新空港ができれば、中央ブータンや東ブータンへ国内線が飛ぶようになるかもしれません。

パロの空港に降り立つと、やっぱり寒い!カンボジア、タイに慣れた体にはきついですね。それにしても、パロ空港は、うっとり見とれてしまうくらい綺麗です。滑走路が無ければ、どこかの寺院と見間違うにちがいありません。黄緑の屋根に白い壁、ブータン人は、どうしてこんなに色のセンスがいいんだろう。どこのゾンに行ってもそれを感じます。

織物や仏教美術が今も盛んな国ですから、色に対する感覚が洗練されているのかもしれません。私には、ブータンという国のイメージの一つに、色の美しさがあります。原色を上手く使います。どこかインカの色使いにも似ています。緑の風景に包まれる春から夏の農村風景こそ、ブータンの美しさの原点かもしれません。

BHUTAN KAZE TOURS & TREKS(BKT)のシンゲと久しぶりに会って、三日間、あれこれ一緒にティンプーですごし、色々な話をしました。ブータンは今、維新前夜のようです。しかも、王様自らが、その維新を先導しています。政治的には、来る3/26に選挙が行なわれ、立憲君主制へ移行し、議会制民主主義がスタートします。規制の多かったブータンは、必然的に、自由化の大きな流れが今生まれようとしています。果たして、ブータンの魅力が保たれるだろうか。そんな不安もよぎります。

シンゲは、その激動の時代の中で、アグレッシブに生きようとしています。今の、日本では到底考えられないことです。その興奮ぶりが、否応なしに伝わって来ました。
(つづく)

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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