一年ぶりの上海

つむじかぜ241号より


一年ぶりに上海を訪れました。昨年は、北京オリンピックを控えていましたから人々も街も、高揚感で溢れていました。今年は、すっかり様変わりし、人々の口からは景気の悪さを嘆く声が聞こえてきました。

それでも、来年の万博のせいか、街のあちこちで工事をしていて活気があります。既に上海の人口は、1800万人を超えたそうです。夕食で訪れた店は、値段の安さからか若者でごった返していました。何でも、最近、人気のある四川料理のチェーン店で、席に着くまで約40分は待ちました。評判に違わず味もいいし値段も安くて、4人でお酒も飲みながら食べて240元(約3,400円)でした。それでも、中国人にとっては、それなりの値段ではないかと思ってしまうのは、私の感覚が古いのかもしれません。日本の居酒屋チェーンとまるで変わらないような光景でした。

中国の富裕層の話題はよく取り上げられますが、実はそれ以上に中間層が急激に増えていると感じます。Tシャツを着た若者は、もう日本人と全く区別がつかないし、街の雰囲気は場所によっては東京と殆ど変わりません。

話の種にと、浦東地区に立てられた森ビルを見に行きました。高さ492m、100階には現在世界一高い展望台があります。しかし、なんと、150元払わないと100階には行けません。4人で240元で食事した後でしたから、「そんな金は払えねえ!」位に反発を感じ、下から見上げるだけでその場を立ち去りました。近くにある、上海の象徴としてよくテレビなどにも出てくるあの串刺しおでんのような形をした東方明珠棟にも行きましたが、これまた150元。近代化を享受するには、なんでも金が掛かるようです。

しかし、考えてみれば、日本人が、田舎から結構な大金をかけてディズニーランドへと出掛けるようなものかもしれません。旅や娯楽にお金を使う中間層がやはり増えているんだなあと強く感じました。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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