日本航空が沈んでいては、元気が出ない!

つむじかぜ266号より


日本航空の法的整理が決定し、19日に会社更生法を申請するという。なんだかとても悲しい。経営的な問題は、私には詳しいことは分からない。ただ、航空会社の破綻は、アメリカやヨーロッパでは、もう10年以上前から、かなり起きているが、大抵は、アメリカに象徴されるように、“完全自由化”で競争が激化し倒産というケースが多い。しかし、日本航空の場合は、“自滅した”という感じがする。

弊社のような小さな会社は、問題を先延ばしにすることなど、したくても出来ないが、年月が経つにつれ、問題を問題と感じない場合が出てくる。やはり、経営者自らが、古き陋習を絶ち、新しい風を吹き込むよう努めなくてはならない。しかし、言うのは簡単だが、これは本当に難しい。

最近は、LCC(ローコストキャリア、格安航空会社のこと)が欧米や東アジアで数多く飛ぶようになり、大手航空会社の経営を圧迫しているという。シンガポールとマレーシア間は30ドルくらいである。とにかく安い。まるでバスのようだ。日本と中国、韓国、台湾などの短距離は、LCCが飛び交うようになるかもしれない。

大手の航空会社は、社員も大勢抱え設備投資もしているからそんな商売は出来ない。だから利益の稼げる長距離路線に飛ばす。アメリカの航空会社は、既にそういう棲み分けが出来つつある。日本航空が、本格的な競争に晒されるのはこれからだ。過去の負の遺産を清算すれば再生できるという単純な構造ではない。

今更言うまでもないが、日本の海外旅行市場は、日本航空が、牽引役となり発展してきた。だから、旅行会社なら、日本航空に少なからずお世話になって来たはずだ。弊社もモンゴルのチャーター便でお世話になった。一国のナショナルフラッグに元気がなくなれば、その国全体が沈み込んだようになる。早期に、立ち直ることを願うばかりだ。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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