新年あけましておめでとうございます。

つむじかぜ265号より


昨年は、日本中が、米国発の経済危機と新型インフルエンザに翻弄されました。日本人海外旅行者数も大幅に減少しました。弊社にとっては、一昨年のチベットに続き、7月の新疆ウイグル自治区の騒乱でシルクロードのツアーができなくなったことが痛打となりました。何よりも現地の旅行会社が心配です。

さて、最近の日本の海外旅行は、60歳以上の年配者の占める割合が益々高くなってり20歳代の若者が激減しています。9.11米国同時多発テロ以降、世界のあちこちでテロ事件が起こり、“海外は怖い”という意識が若い人たちの間に広まってしまったようです。なんだかこのままでは、日本人全体に引籠もり現象が蔓延し、世界から置いていかれるような気すらします。

そんな折、年末には、「坂の上の雲」が、年始には「龍馬伝」が話題となりました。鎖国から一転、日本人が、外に向かって開いていった時代の話です。何故、日本はアジア諸国の中では植民地とならずに、いち早く西洋化し列強と“渡り合う”ことができたのでしょうか。

私は、一つには、江戸時代から教育レベルが高く、武士道に象徴されるように人は如何に生きるべきかといった形而上学的な思考が、幅広く存在したことが挙げられると思います。それが、実利や賄賂だけでは動かない日本人をつくりました。

もう一つは、科学的な実証主義を尊び、優れたものを海外から吸収することに積極的だったことだと思います。そのために、恐れることなく海外に出て行きました。1860年、咸臨丸で渡米した時の福沢諭吉は27歳、1863年に初めてイギリスに留学した伊藤博文は22歳、明治4年(1871年)12月から約1年9ヶ月に亘って世界を一周した岩倉使節団は、総勢107名。同使節団に加わり米国留学した團琢磨は13歳、津田梅子は6歳でした。

時代は違いますが、若い人が、多くの可能性を秘めていることは今も昔も変りません。若い人に海外に出て欲しい。何とかそれを実践したい。そんなことを年頭に当たり考えております。

そして、シルクロードのツアーを復活させると共に、その他のデスティネーションのツアーを、現地と協力して、丁寧にそして深く作り込み、皆様に満足して戴けるよう、本年も、日々努力を続けて参りたいと思います。

引き続きご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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