富士登山 

つむじかぜ394号より

富士山に登ってきました。いやはや大変でした。特に、2日目は、朝の3時から登り始め、ご来光を臨み、お鉢を巡って富士宮口の新5合目に降りたのが午後の3時前ですから、行動時間はおよそ12時間。日頃の不摂生がたたって、後半は、脚がふらついていました。

今回の富士登山は、トラベル懇話会という業界団体の国内研修で、アルパインツアーサービス(株)が企画・実施したものですが、30代~60代後半の殆ど登山経験がない男女17名でしたから、4月から高尾山、御岳山、八ヶ岳と3回の山行を事前研修で行うという周到な計画で行われました。そのお陰と、且つ、アルパインツアーのスタッフの巧妙なリードで、全員登頂し怪我もなく無事下山できました。

それにしても、聞いてはいましたが、あんなに大勢の人が登る山は、日本にも、ことによったら世界にも他にはないように思います。7、8月だけで、約30万人が登るそうです。「富士山は、24時間、いつでも人が登っている」とガイドの方がおっしゃっていましたが、実際、登山道は人影が絶えることなく、夜はヘッドランプの明かりが延々と連なっていました。

そして、若い男女が多いのにも驚きました。最近の若い人たちの間に登山ブームを目の当たりにしましが、そのファッションの華やかさにも、これまた大変驚きました。私が持っているザックも衣装も、一昔前のものですし、大分汚れて古ぼけています。今は、華やかでみんな綺麗な格好をしています。随分、変わったものです。

「山もファッションから入る」そんな傾向を苦々しく思う人もいますが、安全確保や一定のスキルは絶対に必要ですが、私は、大変いいことだと思います。一時的なブームには終わらず、是非、こういう若者たちが、将来は海外の山に興味を持ってくれるといいですね。

ところで、富士山といえば、暫く前になりますが「ゴミのせいで世界自然遺産になれない」と言われましたが、現在は、環境NPO「富士山クラブ」のwebにも説明されている通り、ボランティアや山小屋の方々の努力にごみが取り除かれ、且つ、登山者自身がごみを捨てず、ごみ袋を携行して持ち帰るというマナーが徹底されたお陰で、登山道にゴミは全く落ちていません。日本人は、こういうことができてしまうところが凄いですね。

しかし、トイレが200円~300円と有料で、自分が払ったトイレ代を思うと少々釈然としないものも感じました。もちろん、し尿を放流しない方式の「バイオトイレ」を設置し、環境に配慮してのことだと理解していますが、それを伝える努力を怠ると誤解されやすいとも感じました。

もう一度登ろうと言われたら、「う~ん、もういいよ。」と即座に答えるでしょう。しかし、日帰りで歩行5時間程度の山なら、まだまだ登れるし、縦走も、ペース配分と歩行時間をゆったりとれば充分可能だと、今は思えます。もう少し涼しくなったら、奥多摩や秩父に行こうと思います。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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