カトマンズより

つむじかぜ417号より


2/11(月)タイ航空でカトマンズに到着。VISAを取る列に少しでも早く並ぼうと足早にイミグレーションに向った。タイ航空より、ほんの少し早くマレーシア航空が到着していて、既に、長蛇の列ができていた。相も変わらぬ“だらけた”入国手続きで、一時間以上が掛かってしまった。ネパールは、なかなか変わらない。

カトマンズに到着する国際便は、マレーシアからは、LCCのエアーアジアも飛んできていて、中国、シンガポールからも便が増えている。最近は、カタールから、なんと1日2便も就航しているそうだ。ネパール人の出稼ぎ労働者を運ぶのが狙いだが、最近は、ヨーロッパから旅行客もこのカタール便を使うそうだ。道理で、タイ航空の機内でヨーロッパ系の人たちを殆ど見なかったはずである。

空港のすぐ近くにあるヒンドゥ教の寺院・パシュパティナートの周辺にあったバラックのような家が取り払われ、更地になっていた。その一部で新しい大きな建物が建造中だったが、火葬場を作っているのだという。現在は、寺院の敷地内のバグマティ川の縁で薪を積み上げて火葬しているが、それを機械に替えるとのことだ。

あの、生々しい火葬の光景には、私も、パシュパティナート観光の際出くわしたことが何回かあるが、人間の死を目の当たりにする厳かさがあった。決して、観光の対象にしてはならないが、機械化にはどこか“違和感”を感じる。

今の政府が、これだけはやり遂げると公言し多くの反対を押し切って進められてきた道路の拡張工事が、カトマンズのあちこちで目立ってきた。空港と街の中心地・タメルを結ぶ道が広くなる。変わらないネパールがついに変わり始めた。

街には、中国人の観光客が目立つ。旧正月のせいでもあるが、最近は、日本人観光客が減ったために日本語ガイドが中国語を勉強してガイドの仕事をしている人も増えているそうだ。ネパール人の生きるための必死さは変わることがない。

今回の訪問の目的は、ツアーの安全な実施のために、細部を確認し合うことだ。ドライバーの運転時間や拘束時間の基準、休息の取り方などを詳しく説明し実態を確認する。既に、昨年、後部座席にシートベルトの着いていない車には付けてもらったが、ガイドが「つけてください」と案内し、付けてもらわなければ意味がない。

どれをとっても、ネパール人の思考の範疇を超えるような細かなことである。日本からメールで一方的にマニュアルを押し付けるだけでは何の意味もない。まずはよく説明し、その大切さを理解し安全に対する意識を高めてもらい、お互いの考え方を共有することが重要である。細かな作業だが、これだけは欠かせない重要な仕事である。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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