こんな商売はいかん!その2

つむじかぜ433号より


先の日曜日、フレッツ光の工事がやってきた。先週、書かせて頂いたが、過日、NTTの社員が家にやってきて「ADSLは廃止になります」というので光に変えることになったのだ。一言、「そんなのウソじゃないか」と言ってやろうと待ち構えていたら、全く関係のない工事の人がやってきて10分ほどで作業を終えて帰ってしまった。

工事の人が無線LAN設定用に置いていったCDROMで早速、設定を試みたができない。ヘルプデスクに電話し事情を話すと、「かしこまりました」と手際よく応対され、モデムのランプなどが点滅しているかなどの確認作業に入った。一つ一つの作業毎に「ありがとうございます」と言うのが耳についた。くどいし、うっとうしかった。

突然「お客様の無線LANのモデムの機種には、このCDROMは対応しておりません。○○へ電話をお願いします。但し、申しわけありませんが、月500円の費用が掛かります有料になります」と言うではないか。「ありがとうございます」の連発に苛々していたからか、つい「それはないでしょう。そもそも、光にしてくれといったのはそちらで、私は頼んでいない」と怒ってしまった。もうその後は「申しわけありません」の繰り返し。

「あなたの所為じゃないですよ」と思いながら、その卑屈さに嫌悪して電話を切った。「何で最近は、ありがとうだ。すみませんだと枕詞みたいに言う人間が増えたんだ。プライドはないのか」と腹を立てながら、ネットが繋がらないのは大変困るので、仕方なく○○へ電話し、有料の旨承諾して無線LANの接続をやってもらった。今は、こちらが自分のパスワードなどを言えば、リモートでやってくれる。「便利だが何でも筒抜けだ。恐い話だ」とは思ったが、あっという間にネットは繋がりほっとした。

すると、○○のサービスは本日付で解約できると案内されたので、お願いしたら、担当に代わります、と言われて、また、マニュアル通りっぽい人が電話口に出てきた。○○のサービスをやめると、こんなに損ですよという項目を10個ほど読み上げられ、その度に、要りません、と断ると、断っているのにもかかわらず「ありございます」を連発された。もう、あきれて逆らう気にもなれず早々に電話をおいた。

こんなやり方はいかんなあ、と思いつつ、仕事柄、「うちではどうなんだろう」と思う。内の事情をお客様に押し付けてはいないだろうか。最近は航空会社で直接航空券を買った場合にできることが、ツアー用の航空券ではできない場合があって苦情になることがある。例えば、座席の指定である。丁寧に説明はするが、お客様にしてみれば「そちらの事情」に過ぎないと思われるだろう。そちらとは、弊社、航空会社ひっくるめてである。

弊社では、ご旅行申込書で座席のご希望をお聴きし、できる限りのことをやろうと決めた。しかし、時には、このNTTのコールセンターのスタッフ同様「できないんです。すみません」を言うしか方法がないこともあるだろう。それでも、こちらの事情で一律に「できません」と断ることを止めようと考えた。どうか、ご理解を賜りたい。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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