「幸せ」を感じることができる旅

つむじかぜ506号より


2010年2963人、2011年3943人、2012年6967人、2013年4015人、そして2014年3000人(予測)これは、ブータンへの年間日本人訪問者数の推移である。2011年11月15日に、ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク現国王が王妃と共に訪日、17日には、国会で演説を行い、ブータンブームに火がついた。2012年、日本は、USAを抜いて年間外国人観光客数NO.1になっている。

2013年は、ブームに翳りがみられ2014年は、元の3000人ほどに戻る見通しである。注目されるのは、やはり中国で、2011年から急激に伸び始め1000人近く毎年増えており2013年は4764人、2015年はUSAを抜いてNO.1になるかもしれない。但し、この人数には、インド、ネパールは入っていない。

現在、ブータンでは、年間の外国人観光者数を現在の5万人から倍増し10万人にしたいと計画している。2004年が9,249人だったから、10年で外国人観光客は約5倍に増えている。とはいえ、たったの5万人である。弊社が扱うマーケットでも、その規模は一際小さい。

「どうしたら増えるだろうか」とTourism Council of Bhutan(TCB)のスタッフはいうが、公定料金制度をなくして自由化すれば増えることは明白である。それはTCBのスタッフも理解しているが、観光が国の大きな収入源である以上、観光の自由化は実現しそうにない。公定料金を前提にしてマーケットを拡大したい。それが彼らの意思である。

ただ、もし自由化されれば、ブータンのよさは雲散霧消してしまうように私は思う。チベット仏教に興味があるひとはチベットへ行く。ヒマラヤトレッキングをしたいひとはネパールへ行く。ならばブータンという国へ行く目的はいったい何か。ゾン(行政庁が入った城塞建築)や僧院などの建築物は確かに見ごたえがある。しかし、それ自体が、ブータンを訪れる第一の目的にはならないようだ。

私の勝手な思い込みかもしれないが、「幸せを見てみたい」これが、日本人が抱いているブータンの旅のイメージではなかろうか。もちろん、幸せが目に見えるはずはないのだが、感じることはできる。

伝統的な建物が点在する農村の風景や、田舎の街のゆっくり流れる時間、そして、そこに生きている人々の笑顔。それらは、イザベラバードが訪れた東北のように、日本にもきっとあった優しい世界なのかもしれない。日本人は、ブータンにいくと、どことなく懐かしさを感じるというが、確かにその通りである。

ブータンの優しさを体験するならホームステイがいいですよ。2月と8月に私が添乗し、ポブジ谷でホームステイをするツアーを企画しました。是非、ご一緒しませんか。

▼2/21(土)発
GNHの国で取り組む持続可能な旅作りの現場を訪ねる
自然と共生するブータン・ポブジ谷の民家でホームステイ8日間

2014年からホームステイと村内散策ツアーの準備が整ったポプジ谷。日本エコツーリズム協会理事、亜細亜大学客員教授も務める原と共に、ゆったりと過ごし、あれこれ語らい、自然と共生する素晴らしさを感じてみませんか。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

シェアする