動き始めたネパール

*風のメルマガ「つむじかぜ」530号より転載

今日、マレーシア航空で一人のスタッフがネパールへ向かった。支援物資を渡すなどの緊急支援を行うことと、夏以降のネパール支援ツアーを企画するための下見を兼ねている。

今後、弊社では交代でスタッフが現地入りすることにしている。秋以降のトレッキングツアーで使うルートの確認やホテルの状況などの下見に行きながら、現地の様子を随時報告していく予定だ。また、報告会も開こうと考えている。もちろん、少し元気をなくしているNEPAL KAZE TRAVEL CO.,LTD(NKT)のスタッフたちを激励する意味もある。とにかく、彼らの話を聞き、今後の相談をし、前に進まなくてはならない。

皆様からの支援金も、毎日のように増えて既に700万円近くになっている。改めて心より御礼申し上げたい。緊急支援とは別に、震源地近くのパトレ村の再建を支援していくことにしているが、今日、ネパールに向かったスタッフがパトレ村まで行ってその計画を確認してくる。お金を出すだけでなくパトレ村応援ツアーも組みたいが、9月中旬までの雨季の間は、崖崩れなども心配されるので秋以降の取り組みになると思う。

今回、『災害ニュース』とは被害の酷いところばかりが映し出され、まるで街が崩壊し国中が被害を受けたかのような印象を与えるものだと、改めて思い知らされた。冷静に考えてみれば、もしそんなことになっているなら、ネパールでは何十万人も死者が出たに違いない。ネパールの人口は約2,600万人。そのうち、9,000人近い人が今回亡くなった。実に大きな被害を出したが、マスコミが伝えた印象とはまったく違っている。

2008年の四川大地震や2010年のハイチの大地震、2011年クライストチャーチの地震なども、確かに大きな被害が出たが、その実態は、マスコミの報道とはかなり違ったものであったに違いない。私自身も、災害の報道とはそんなものだと安易に考えていたが、風評被害を齎すこれらの報道を糾す方法はないのかとすら思う。「ここは大丈夫だ」と街全体を見せるようなことはしない。被害にあった場所を繰り返し報道する。だから、そのイメージが固定してしまう。結果、その後、観光客が急減することになる。報道の結果には、なんら責任が取られることはない。

ただ、現在、ネパールでは、5/12の大きな余震でまた大きな地震がくるのではないか。家が潰れてその下敷きになるのではないか。そんな不安が募っていることは確かだ。なにせ、ネパールの一般の人々が住む家は古い物が多い。その不安を取り除く支援が必要だ。

また、国際的な支援がなければ深刻な事態になる人々がいることも確かである。そこは日本とはまったく違う。ネパールという国の貧しさや政治の貧困を、その国への評価として取り上げれば、極めて印象が悪くなる。ヒマラヤという世界でも屈指の観光資源を持ち人々は優しく親切である。多民族国家であり、宗教もヒンドゥ教や仏教などが混在する中、一つの国として長い歴史を刻んできたその素晴らしさにも、マスコミは焦点を当ててほしいものである。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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