ボランティアとビジネスの狭間で

*風のメルマガ「つむじかぜ」535号より転載

火曜日の朝、4時ごろに目が覚めてそのまま寝付けななかったので、梅田のホテルを6時前に出て新幹線で東京に戻った。もし、いつものように9時ごろの新幹線を使っていれば、あの奇妙な事件で、この日は、東京に戻れなかったかもしれない。

ネパールの復興支援の件で、どうしてもこの日中にやらなければならない仕事があったので早く東京へ戻ろうと思っていたが、寝付けなかったのは妙な胸騒ぎがしたからだろうか。否、それほど私は霊感がはたらかないから、単なる偶然に過ぎないが、それにしても理解しがたい事件がこのごろはよく起きるものだ。

ネパールに関してだが、先週からようやく『復興支援ボランティアツアー』の募集を始めた。4/25のネパール大地震発生以降、今までに弊社のスタッフが4回現地に入っているが、観光客がいないネパールは、こんなにも活力を失ってしまうものなのかと、スタッフたちは改めて衝撃を受けて帰ってきた。

例年、例年この時期は雨季になるため、ヒマラヤの山が見えずネパールの観光はオフシーズンとなるから観光客は少なくなる。しかし、逆に、ヒマラヤの登頂を目指す遠征隊にとっては5月からが登頂シーズンとなる。加えて、NGOなどの活動を支援する人たちなどで街はそれなりに賑わっているのが普通である。なのに今年は、観光客どころか、殆ど外国人がいない。異常な世界である。あれだけマスコミがネガティブな報道を繰り返せば、もう観光どころではないと誰しも思ってしまう。

弊社のスタッフの報告でもわかるように、実際は、ネパール人は地震直後から外国人観光客相手の店を開き続けている。ネパールから観光が消えたら、人々の生活は立ち行かなくなる。それほど、ネパールにとって観光は重要な産業である。地震による直接的な被害もさることながら、こうした2次的被害はますます深刻さを増している。とにかくネパールへ行ってほしい。その思い一点で、今回の復興支援ボランティアツアーを企画した。

正直言って、人の善意を「ツアー」という形で集約し、自社のビジネスで扱うことは難しい。NGOやNPOの方々は、復興支援で集めたお金を彼らの活動費としても使いますといっている。霞を食って生きているわけではないから当然のことと思う。しかし、弊社のような企業は、そんなことはできない。支援金は預っているお金であってあくまで支援にあてるのが当然である。ただし、ボランティアツアーを企画すれば、それは、通常のツアー同様、ビジネスとしての構造を持つことになる。色々考えたが、私たちは、仕事を通して復興支援をしていくことが私たちができる最善の方法だと思う。

私も、8/9(日)からのツアーでご一緒する。短い期間だが、充実した内容にしたい。(以下、参照)▼ネパール震災より2ヶ月 ツアー再開へ

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

シェアする