経験は人を変える

*風のメルマガ「つむじかぜ」548号より転載

先々週、亜細亜大学の学生をモンゴルへ連れて行ったことを書いた。「やばい!」という感嘆詞(素晴らしいの意味)の連続に驚き、戸惑ったことをご紹介した。その学生たちに「モンゴル旅行記」を書くことを課題にしていたが、夏休みが終わり、その旅行記が出てきた。8日間のツアーは、かなり手ごたえがあったので、きっとそれなりの文書を書いてきてくれるだろうとは思っていたが、思わず「やばい!」と叫びたくなるほどだった。

たった一度の経験が人を変える。なんと文章まで上手くなる。そんなことが実際にあるんだと驚いてしまった。もちろん、私と彼らとの関係性があるから、私の感情移入が多々あるのかもしれない。それはご勘弁願いたいが、やはり若い人たちの可能性とは「やばい」ものだ。

文章は、書き慣れれば上手くなる。要するに技術の問題だ。と私自身思っていたところがある。確かに技術は大切だが、やっぱり気持ちがこもっている文章は、自ずと素晴らしいものになると今更ながら気づかされた。以下、すこしご紹介してみる。

「研修を振り返ってみると、モンゴルにはたくさんの魅力があり、実際に行ってみないとモンゴルのよさはわからないのだと感じた。モンゴルは、考古学的な遺跡も自然観光資源も文化や芸術の中心となる大都市の魅力もない。しかし、モンゴルには大草原があり、他国に引けを取らない「自然」という観光資源がある。都会の喧騒を忘れさせる別天地、満天の星、あたり一面に広がる草原、都市で生活する人には味わえない自然環境こそがモンゴルの一番の観光の魅力なのである」。

取り立てて珍しいことが書いてあるわけではない。もしかしたら、モンゴルを紹介するパンフレットにでも出てきそうな文章である。しかし、素直な気持ちがこもったいい文章である。ありのままの気持ち、そのものがそのまま流れのいい文章になっている。

「ついにモンゴルから帰る。一週間前私たちはここへ来た。その時、私の感情は早く帰りたい一心だった。それなのにみんなで「このまま草原に行きたいね」なんて会話をしながら帰国を惜しんでいる。一週間前に自分には、このような自分の姿を想像することはできなかった。(中略)本やインターネットでは得ることのできない情報や現状があふれていた。モンゴルでの一週間は、私の大学生活の中で一番印象に残るとても濃い時間だった」。

特別なことをしたわけではない。弊社のお客様ならご存知の方も多い「ほしのいえ」に行って乗馬をし、セルゲレン村へ行って柵をペンキで塗ったりゴミ拾いを子供たちと一緒にやった。ほしのいえのモチコやMONGOL KAZE TRAVEL(MKT)の
ハグワ社長の話を聞き、モンゴル国立教育大学の日本語を勉強する学生と交流をした。

学生たちは、自分の中に化学変化を起こすような変革のエネルギーを持っているのだろう。それは、本当に眩しいくらい輝いている。ただきっかけさえ与えれば、自分でも驚くほどの変化が自ずと起きるということだ。

本当に「やばい!」

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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