ラグビー ワールドカップ

*風のメルマガ「つむじかぜ」547号より転載

昨晩のスコットランド戦は残念無念。南アフリカに続いての勝利を日本中が期待したが、そう簡単にはいかなかった。ところで、ラグビーをやったことのある人はどれくらいいるだろうか。もしかしたら高校の体育の時間にやったかもしれないが、それとて少なかろう。野球やサッカーに比べると一般的には、かなりマイナーである。

だから、ルールがわからないという人が多い。挙句は、みんなで倒れこんで群がり闇雲にボールを奪い合っているようだが、何をやっているのかわからないなどと酷評されたりもする。

実は、ルールはそれほど難しくない。「ボールを持って前に走るのはOKだが、ボールを前にパスしたり落としてはいけない」というのが大原則である。そしてもう一つ、「ボールの前から攻めてはいけない」というルールがある。この二つだけ知っていれば大体わかる。

ボールを持って前に走る。タックルされて倒れる。むやみに倒れているように見えるがそうではない。背中を敵側に向けてお腹のところでボールを抱きかかえるようにして倒れる。何故なら、攻める方向に向かってボールより前からボールを取ったり攻めたりしてはいけない、というルールを利用し、背中でガードして敵にボールを取られないようにするのである。但し、倒れたらボールはすぐ離さなくてはいけない。持っていると反則になる。

敵味方がボールを挟んで倒れこんで押し合いになる。この状態を「ラック」という。もう一つ「モール」というのがある。敵に突進したら倒れずに立ったまま背中を敵に向けお腹にボールを抱える。それを味方が立ったまま前へ押していく。スコットランド戦の日本のトライがこの「モール」を使った戦法だった。

この二つがわかると、「みんなで倒れこんで群がり闇雲にボールを奪い合っている」という見方がなくなって、ラグビー観戦がグッと面白くなる。

もう一つのラグビーの醍醐味はスクラムの押し合いである。ゴールまであと5メートル。スクラムで押してそのままトライというシーンがある。以前の明治大学ラグビー部はスクラムを組むフォワードが強力で、この戦法をよく用いていた。

このとき、スクラムに入ったボールを味方のスクラムの中に足でコントロールしながら維持して行く。何故なら、スクラムの中にある間は、敵はそのボールに触れないからである。

スクラムを組むのがフォワード(8人)、それ以外(7人)がバックスだが、スクラムにボールをいれてスクラムの後方でボールを受け取ってパスを出すのがスクラムハーフである。ポジションにはそれぞれ名前がついている。これを覚えると一段とラグビー話の幅が広がる。

私が出た高校はラグビーが盛んで、冬の体育の時間は、サッカーなど全くしないで3ヶ月くらいラグビーばかりしていた。その上、クラスマッチにラグビーがあって、我がクラスは学年で8クラス中、2クラスある男子クラスのG組。同じく男子クラスのH組みと毎回ラグビーで優勝を争っていた。私のポジションはスクラムハーフ。唯一、ラグビーの中で体格が小さくてもできるポジションである。小柄で敏捷性がある選手が多い。当時は私も素早く動けたのである。

9/20、ラグビー日本代表チームが南アフリカに勝った。勝ち方もすごかったがテレビ観戦していて思わず涙が出てきてしまった。今まで見たどのスポーツシーンより感動した。テレビにも涙を流すおじさんの姿が映っていたが気持ちが伝わってきて更に涙をさそった。

日本代表選手31人中10人が外国人。これを批判する人もいるが、ナショナリズムの発揚をスポーツの対戦に求めた時代は遠い昔のこと。今や、ラグビーに限らず、選手は国をまたいで移動し所属チームのために闘う。それが当たり前になってきている。

まだワールドカップは始まったばかりだが、次のワールドカップは日本で行われる。これだけは絶対に見に行きたいと思う。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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