ブックオフ

*風のメルマガ「つむじかぜ」625号より転載

一年ほど前に中野の早稲田通り、弊社のオフィスから2分ほどのところに古本屋ができた。最近は、古本屋が新しく店を開くなどという話は聞いたことが無かったので「どこか特別な内容か?」と思いながら覗いてみた。

歴史に関する本など結構私が好きそうな本が揃っていたので、その後何回か覗いては何冊か買ったが、だからと言って特別な古本屋でもない。

一方、町の古本屋がなくなったその要因にもなったブックオフが業績不振で苦しんでいる。もちろん、経営そのものはなんら不安はないようだが、業績が落ちていることは確かだ。

原因は何か。一つには出版業界そのものが不振で、古本の流通量そのものが減っていることだ。しかも、オークションの方が高く売れるというので、ブックオフに売りに行かなくなったお客様が増えたのだそうだ。ブックオフの主力商品はコミック。若い人たちは、情報に敏感だということだ。

また、コミック界にも大きな異変が起きていて、紙のコミックは売れなくなり電子版に移行しているという。様々なアプリが出て、それが次々に読ませるように読者の欲望をうまく操るような仕掛けが出てきているようだ。

例えば、一巻目は無料だが、その日に続けて読むと有料。でも一日待てばまた二巻目も無料で読める。それなら一日一巻ずつ読めばよさそうなものだが、どうしても続きを読みたくなってつい買ってしまう。結局、「少額の支払いだからまあいいか」の連続になる。100円、200円ならそんな気分にもなろうというものだ。

ブックオフは、新刊本がすぐに店頭に並ぶことから「新古書店」と言われ、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長した。当時、パートタイマーだった主婦が社長にまで昇りつめたことでも話題をさらった。

それにしても一つのビジネスモデルが持続する期間がどんどん短くなっている。ブックオフは、本以外のリユース商品へと広げていく計画もあるそうだがなかなかブルーオーシャンは簡単には見つからない。

多少のことはあっても地道な努力が未来につながる仕事がしたいものである。
旅行という仕事はどうか。私は、やり方次第と思っている。


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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