防災

*風のメルマガ「つむじかぜ」638号より転載


今年の立秋は8月7日。もう残暑見舞いを出す時季になった。しかし、とても残暑見舞いなど出す気になれない。とにかく暑い。今日、8月9日の東京の最高気温は37度まで上がるという。今、外に買い物に出たが融けそうだとはこのことだ。九州では先週は39度までいった。もうこうなると災害に等しい。学校などでは外での運動を禁止するところも出てきた。命の危険を感じる暑さだということだ。

地球全体の気候変動が激しく、日本人の季節へのイメージも変わってきているように思う。四季を更に細かく分けると“二十四節気”(にじゅうしせっき)となる。太陽が通る見かけ上の通り道を“黄道”を、夏至と冬至の「二至」で2等分、さらに春分と秋分の「二分」で4等分それぞれの中間に立春、立夏、立秋、立冬の「四立」を入れて「八節」というのだそうだ。春分の位置を0°とした時の現在の地球から太陽の見える位置の角度を黄経といい、この黄経が135°になる日が立秋である。(暮らしの歳時記のHP参照)

前回、夏休みについて書いたが、8月18日前後で終わってしまう信州の夏休みには季節の変わり目という意味もあったように思う、お盆を過ぎて夏休みが終わるころになるとすっかり涼しくなる。夏休みは、涼しくなったら必要ないというわけで信州では自然に受け入れられていたように思う。しかし、今は、まだまだ暑いのに夏休みが終わってしまう。

雨の量も半端ではない。地震は、何時どこに来るかは、今のところ正確に予測できない。しかし、大雨は、毎年のように日本の各地にやってくる。しかも明日来るぞといった警報まで出る。だとしたら、何とかならないのか。

色々調べてみたが、暑さに対しては防御的な方法しかなさそうだ。あまり好きではないが、冷房なくして夏は乗り切れそうにない。幾ら体力をつけても日中外に出るのは控えたほうがよさそうだ。

洪水や土砂災害は、昭和30年以降に植えられた人工林が、林業の衰えで放置され間伐がなされず下草が生えなくなり、水を保つ力がなくなって土砂崩れが頻繁に起こるようになったという。しかし、防災の観点からいくら林業の重要性を叫んでも効果がない。もっと木を使う暮らしを促進し、木を使うようエネルギー政策を転換しないと不可能である。藻谷浩介、NHK広島取材班著『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』を読むとそんなことが書いてある。

日本全体が里山資本主義にならずともよいが、こんなに暑いと、今のままでは地球が壊れてしまいそうだとすら思う。なかなか面白い本です。是非、ご一読ください。


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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