抜け出せない“鎖国”

2年ぶりに行動制限のないGWとなり、行楽地は久々に大勢の観光客で賑わった。海外旅行もハワイのツアーからようやく動き始めた。ただ、1日の日本入国者数を帰国する日本人も含めて1万人という制限を続けている。しかも、外国人の観光目的の入国は認めていない。これでは“鎖国”と評されても仕方ない。

弊社もモンゴルなどのツアーの準備を進めているが、航空会社の運航がコロナ以前のようには戻っておらず、モンゴル航空も月、水、金の週3回の運航にとどまっている。何とか7、8月には土曜日に便を飛ばしてほしいと要望しているが、日本が、観光客を受け入れていない以上、難しいといわれている。

岸田首相は、GW中に英国等を訪れ5月5日にシティーで講演した際に、「6月には他のG7(主要7か国)諸国並みに円滑に入国できるようにする」と明言した。ついに日本も“鎖国”から抜け出すのかと感激したが、昨日、政府が1万人という入国制限を2万人に増やす検討に入ったと報道があった。これのどこがG7(主要7か国)諸国並みなのだろうか。

現在、英国は入国制限を一切していない。ワクチン接種も問わないしPCR検査の陰性証明も求めない。その他のG7諸国も、ワクチン接種は2回まででよく、入国時の検査はカナダのみがランダムで検査しているだけで、ドイツ、フランス、イタリア、米国は検査をしていない。日本は日本入国前72時間以内のPCR検査の陰性証を求めているが、米国のみ24時間以内のPCR検査の陰性証を求めているだけで、他の国々は不要となっている。ちなみに、韓国、ベトナム、マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピン、インドネシアなども空港到着時の検査はしていない。

中国、台湾、香港を除けば、日本の水際対策の厳しさは異常である。日本のコロナ対策は成功している、と政府は評価している。しかしながら、このままでは、日本外しが諸外国で本格化してしまう。日本では、理論的な根拠は示されず、周りの評判ばかり気にして対策が取られているように思う。すべては選挙対策ということなのか。

脱コロナには、まだ一年くらいかかりそうだが、長いトンネルの出口が見え始めたことだけは確かだ。それにしてももどかしい。

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