国立民族学博物館(みんぱく)のボン教の展覧会・講演会イベント [LHASA・TIBET]

には、とっても行きたかったが、残念ながら断念せざるをえなかった。 
イベントが始まるころには、僕はもうすでにラサにいたからだ。 しかし、日本を発つ直前の先月中ごろ、時間を作ってみんぱくに遊びに行った。

というのも、今回のイベントで招聘されたボン教のお坊さん、ツルティム・テンジン師にお会いしたかったから。 快く誘ってくださった、みんぱくの長野泰彦先生(チベット学)に感謝。

師に初めてお会いしたのは今から六年ほど前か。 
イギリスのオックスフォードで行われた国際チベット学会に、ボン教の僧侶が四人ほど招待されたのだが、その中の一人でドルマ(神々に捧げる供物)の発表に来ていたのが、ツルティム師であった。 

当時、彼も含めてお坊さん全員は英語がほとんどできず、ボン教だとの理由からか(?)、チベット学会に来ていた研究者たちに囲まれながらも、かなり「浮いて」いた(チベット研究者の多くは仏教を研究している)。 チベット語会話ができない学者が多いことや、イギリスという異国の地であることもあり、自然の流れで、学会に出席していた(風の旅行社ラダック駐在の)飯田さんと僕が彼らの滞在のお世話をすることになったのだった。 縁というのはどこでどのように生まれるか分からない。

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(みんぱく所蔵庫にて。 右から、ツルティム師、僕、師の日本人弟子であるW氏、長野先生、ドルマ作りの達人のお坊さん。 中央にあるピンク色の物体は、神々に捧げる供物「ドルマ」の作りかけ。)

みんぱくに訪ねに行ったとき、ツルティム師は、僕を見るなり、「ああ!ダ・イ・スケ!」と僕のことを覚えていてくれていた。 オックスフォードでお会いしたときは、彼はほとんど方言しかできず、僕は彼の話の30%も理解できなかったが(笑)、この間お会いしたときには、彼のラサ語がすっかりうまくなっていたのでびっくりした。 それでも7割ぐらいしか理解できなかったが。。 彼のお供のお坊さんがドルマを作るのを見ながら、イギリスでのことなどをいろいろ話す。

残念ながら、今回は彼が出席する講演会やシンポジウムには行けなかったが、参加した僕の友人にきくと、究極教義のひとつであるゾクチェンについて、かなりストレートに、そして熱心に語ってくれたらしく、とても面白かったそうだ。 ああ、僕も行きたかったよぉ!!

展覧会はみんぱくでまだしばらくやっているはず(→詳細はこちら)。
チベット文化の根っ子であるボン教に触れてみるいい機会なので、チベット旅行に来られるみなさんは、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。 ラサ滞在中、ボン教文化の片鱗が、あちこちで見えてくるようになるでしょう。

6月は西チベット・ツアーに同行するので、一ヶ月駐在日記をお休みします。 7月に再び開始します。 カイラス・コルラの報告など、乞うご期待!

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(聖山カイラス)

Daisuke Murakami

5月25日
(ラサの)天気 曇り(ときどきにわか雨)
(ラサの)気温 6〜18度 
(ラサでの)服装 昼間はシャツ、フリースなど。 夜はフリース、セーターなど。 晴れの日は日差しがとてもきつくなるので、日焼け対策は必須。 空気は非常に乾燥しています。 雨具は持ってきたほうがよいでしょう。