ガンデン寺大タンカ祭と片足ケンケンで巡礼遊び [LHASA・TIBET]

今年もまた快晴に恵まれたガンデン寺大タンカ祭(シゥタン祭)。
フォト巡礼記をどうぞ。

早朝八時前、ガンデン寺に着く。 標高4,200メートルの朝は、空気が非常に澄んでいる。 タンカ開帳まで時間があるので、我々風の一行はまずガンデン寺を巡る周回巡礼路(コルラ)へ。

(コルラ道の最初の地点にある峠でルンタの儀)

(コルラ道の最初の地点にある峠でルンタの儀)


そして早速、峠にさしかかり、お決まりのルンタの儀式。
「キーキー、ソーソー、ラゲロー!!」(神様に栄光あれ!!)と叫びながら、
ルンタを青空に向かって投げる。
早朝なのに皆さんノリよすぎ。 

ちなみに「ラゲロー」の「ラ」は日本人には発音が難しく、「ハ」に近い発音をする。 ともすると、「禿げろー」に聞こえてしまうので要注意である。

あぁ、絶景かな、ガンデンコルラ道。
このような絶景を眺めながらの巡礼は、チベット人でなくとも人をハイな気分にさせる。

途中、「巡礼ハイ」のチベット人の若者が叫ぶ。 ヒヒヒィィぃーー!! ヒョウウウゥゥウゥゥゥ!! ちょっと『北斗の拳』みたいだ。

そして、巡礼者の焚くお香の煙にまみれながら先へ進むと、なんとも奇妙な光景が! チベット人のオバちゃんや若者たちが片足ケンケンをしながら、石塚をクルクル回っている! しかもとっても楽しそう!! 僕は今までチベットの多くの巡礼地を巡ってきたが、このような遊び、もとい、信仰表現は初めて見る。 きくと、自分の母に対する感謝の意、大恩に報いるとの意味があるようだ。 なんだかとっても楽しそうなので、僕も我を忘れて片足ケンケンをしながら塚を巡る。

ちょうどそのとき、「あれ? 先生はどこに行ったんやろ?」と、お客さんたちは思っていたようである。 そして次の瞬間、「わたしたちをおいて、あんなところでひとりで楽しそうに!」と、僕がケンケンをしているのを発見し、そのまま流れるように皆さんもチベット人に交じってケンケンをし始める。 標高 4,200メートルの絶景を眼下に、片足ケンケンをすることになろうとは、日本で旅の予約をしている時には皆さん想像だにしなかったであろう。

(チベット人巡礼者に交じって片足ケンケン)

(チベット人巡礼者に交じって片足ケンケン)



そして、次に我々を待ち構えていたのは、ブルーポピー(ヒマラヤの青いケシ)。  あまりにもたくさん見かけすぎると、ブルーポピーへのロマンが失せてしまうのだが、やはり美しいことは変わりない。 可憐である。

そして、巡礼路、最後の難関(!?)は、
チベット版胎内くぐり!

(名画『A Passage to India』(インドへの道)のワンシーンのよう・・・)

(名画『A Passage to India』(インドへの道)のワンシーンのよう・・・)



日本の修験道の胎内くぐりは「再生」、「生まれ変わり」、ひいては「浄化」をテーマにしているものが多いようだが、チベットのそれは、「心が優しいかどうか」を試すものが多い。 

つまり、(太りすぎて)くぐれなかった、通れなかった人は、「罪びと」としてのレッテルを貼られる可能性があるのである。 

自覚のある人は、通らないほうがよいであろう。

そして・・・・・・・・・・・・・
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コルラが終わり、大タンカご開帳!
例年よりちょっと巡礼者が少ないような気がしたが、それでも開帳とともに巡礼者は高揚する。 カタ(白いスカーフ)にお布施を入れて、タンカに向かって投げ入れる。 お客さんもチベタンに交じって投げ入れる。 「無事旅行が終わりますように」。 

巡礼・大タンカへのお祈りも済んだ後、我々は下山し民家に直行。
すべての風のチベット・ツアーでは、民家でお昼ご飯を食べるようにセッティングされている。 そして、お昼ご飯のあとは、チベット民族衣装(チュパ)を着てコスプレ!

みなさん、大変お疲れ様でした。
とっても明るいグループで、僕も我を忘れて(?)遊んでしまい失礼しました(笑)。 今度は、日本の神社で片足ケンケン遊びをしましょう(笑)!

Daisuke Murakami

8月9日
(ラサの)天気 曇りときどき雨 (時に日光も射します)
(ラサの)気温 11〜22度 
(ラサでの)服装 昼間はシャツ、Tシャツなど、半ズボンも可(ただし、お寺の中では、肌の露出は控えてください)。 夜はシャツ、フリースなど。 晴れの日は日差しがとてもきつくなるので、日焼け対策は必須。 雨の日は冷えるので、昼でもフリースなどを着たほうがいいでしょう。 空気は非常に乾燥しています。 雨具は必須。