つるつるすべすべハンマム体験 ローカル編

爆笑! ローカルハンマム編 文●池内明穂(東京本社)

モロッコ旅行の中で一つのキーワードになっているものの一つに『ハンマム』があります。
昨年末の岡田、そして6月の加藤に引き続き、今回は爆笑ハンマム体験をお伝えします。

ローカルハンマムの入り口

ローカルハンマムの入り口

(※ツアー日程にハンマムが含まれているのはマラケシュでのホームステイのみです。それ以外のコースでハンマムをご希望の場合は、日程調整や予約が必要となりますので、できるだけ早めに弊社担当者にお知らせ下さい。ハンマム代は、現地で実費をお支払い下さい。)

『ハンマム』とはスチームサウナ式(蒸し風呂)の公衆浴場のことで、イスラムの世界では、かつて金曜の礼拝前に男性達が身を清めるためによく利用していました。
現在では、地元の方が通う庶民のハンマム、そしてホテルなどにある高級なタイプがあります。(加藤のモロッコでつるつるすべすべ体験) 地元の方が通うハンマムは、日本で言うならいわば路地裏の銭湯といった感じでしょうか。老若男女問わず、そこは体を洗い清めるためだけではなく、一種の社交場、情報交換の場でもあります。

今回、事前に参加者の方から『是非ハンマムへ行きたい!』とリクエストがあり、フェズの町でツアーの皆様にも呼びかけたところ、全員の方が希望されました! そこで、今回は地元の方が通う住宅地にあるハンマムへ向かいました。

いざ、ローカルハンマムへ!

ようこそハンマムへ!

ようこそハンマムへ!


入り口では、番頭のお兄さんが笑顔で迎えてくれました。私達も期待に胸が高まります。ガスール、ヘンナ、サボンベルデ、垢すり用の粗い手袋を購入し、男女分かれて、ハンマム体験スタートです。

入った先は3畳ほどの広さの小さな脱衣場です。パンツ一枚になり、その先にある湯気がたちこめる浴室へ向かいます。そこは20畳ほどの空間が3部屋L字型にがつながった構造になっており、お湯の入ったバケツが無造作に並んでいます。暑くてのぼせるという感じではありませんが、じとっと汗が流れ出るような温度です。

女性陣、男性陣とも、当然ながらアラビア語は全く話せません。浴室では突然の来訪者に、おばちゃん達はびっくりしならも、温かく迎えてくれ、身振り手振りでハンマムの作法を教えてくれました。(※ちなみにホームステイのコースでは、ホストファミリーのご家族と一緒にハンマム体験ができますので、楽しく安心です。)
奥の空間に足を踏み入れ、その様子を見てみると、マットを敷いた地元の女性達が体のお手入れをしながら、おしゃべりを楽しんでいます。平日の夕方、窓から差し込む柔らかな光に包まれて、そこはゆっくりとした時間が流れていました。

垢すり体験はまさにまな板の鯉?!

私達は一番手前の窓がなく薄暗い空間で垢すりをしてもらいました。まずは体を温めながらサボンベルデイを水で溶き、全身に塗ります。ドロドロと体が茶色くなったところで10名が一列に並び、順番を待ちました。最初は垢すりのおばちゃんが一人しかいなかったので、一番初めのお客様は、皆さんが興味津々で見守る中、スタートしました。
豊満な体のおばちゃんが、『ここに寝て』と指示しますが、なんとそこはおばちゃんの膝の上。なされるがままに、身を委ねるしかありません。小柄なお客様は、おばちゃんの膝枕と、タイルの床の上をコロコロを転がされ、全身を力いっぱい擦られています。お客様の痛い?くすぐったい?笑い声、そしてギャラリーからの大爆笑が、ドーム型の天井に響き渡りました。

そして2人のおばちゃんも加勢し、いよいよ私の番もやってきました。ふくよかで貫禄のある大きなおばちゃんの膝枕とお腹と胸に顔を挟まれ、うつ伏せ、仰向けにさせられながら私もコロコロ、ゴシゴシと擦られます。隣からはお客様の笑い声も聞こえてきますが、笑顔で応える余裕はありませんでした。
その後、ヘンナをお湯で溶いたペースト状のもので軽く洗髪してもらいました。更に持参したシャンプーでこれまたゴシゴシと洗われ、仕上げはバケツのお湯が頭上から滝のように降ってきました。
一番最後はマッサージ?で全身を押され摩られ、終了です。

初めは皆様お互いに恥じらいもあったようですが、日本では考えられない豪快な体験に大笑いで楽しんでいたようです。
聞くところによると、男性陣は岡田の報告記にあったような整体も体験したそうです。帰国が近づいてきたツアー後半、全員で共有できた裸以上のお付き合いに、連帯感も生まれ、観光地だけではない本当のモロッコの姿を垣間見ることができました。

【最後に・・・ローカルハンマム心得】持ち物について

貴重品は極力持ち込まない。
脱衣場のロッカーは扉も鍵もないところもあります。
公衆浴場といってもお湯に浸かって心身ともにリフレッシュ! というものではありません。
ハンマムではみなさんが垢すりをしますので、その垢や、使用後のガスール、ヘンナ、シャンプーなどが常に床を流れています。(そして、私達はその床に寝そべって垢すりをしてもらいます!)
決して衛生的とはいえませんし、垢すりのおばちゃんもとってもいい加減(良い加減?)ですので、気持ちよくハンマムを体験したいという方は、高級ハンマムやスパに行きましょう。

…余談となりますが、女性陣では多くの方?が、ハンマム後、ホテルのシャワーで再度体を流したそうです(笑)


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