重厚な余韻で世界を魅了する「アイラの巨人」:ラガヴーリン蒸留所

スコットランド8

スモーキーな香りとシェリー樽熟成特有の甘い香りで根強いファンが多いラガヴーリン蒸留所

📍 基本データ

項目 内容
名称 ラガヴーリン蒸留所(Lagavulin Distillery)
所在地 スコットランド・アイラ島・ポートエレン近郊
創業年 1816年(ジョン・ジョンストンによって設立)
所有企業 ディアジオ(Diageo)
年間生産量 約253万リットル
仕込水源 ソラン湖(Solan Loch)
発酵槽 カラマツ製木桶10基
蒸留器 初留2基、再留2基(計4基)
モルティング ポートエレン製麦所から調達(フェノール値38ppm)
熟成樽 主にバーボン樽、一部シェリー樽
代表銘柄 ラガヴーリン16年、8年、ディスティラーズ・エディション
ファンコミュニティ ジャズフェス限定ボトルやスペシャルリリースで世界中に熱狂的ファン

🕰️ 歴史的背景

 ラガヴーリン蒸留所は1816年にジョン・ジョンストンによって正式に設立されましたが、非公式には1742年頃から既にこの地に密造所が存在していたとされ、アイラ島のウイスキー造りの歴史の深さを物語っています。岩礁に囲まれた島南部の海岸沿いに位置し、潮風とピートの影響を強く受けるこの地は、密造酒時代から理想的な製造環境として知られていました。1889年には名高いウイスキー商人ピーター・マッキーが蒸留所の運営を引き継ぎ、代表的なブレンデッドウイスキー「ホワイトホース」を生み出すことでラガヴーリンの国際的知名度は飛躍的に向上しました。1927年にはスコットランド最大の酒造会社DCL社(現ディアジオ)の傘下となり、品質と流通の両面で安定性を獲得します。さらに1988年には「クラシックモルト・シリーズ」においてアイラ島を代表する存在として選ばれ、世界中のウイスキー愛好家から熱い視線を浴びるようになりました。
 現在では、「アイラの巨人」と称されるその力強い味わいと深い余韻で、スモーキーウイスキーの真髄を体現する存在として圧倒的な支持を集めています。

🥃 特徴と製造工程

このフォルムの蒸留器が重厚な味わいを作り出す
蒸留所内にあるピート(泥炭)を燃料にするストーブ


 ラガヴーリンのウイスキーは、「クマの抱擁」とも形容される重厚でオイリーな味わいが大きな特徴です。その複雑な香味は、フェノール値38ppmという高いピート含有量の麦芽を用い、約55時間もの長時間発酵と最大11時間に及ぶ丁寧な蒸留工程によって生み出されます。蒸留器はくびれのないタマネギ型で設計されており、銅との接触時間を長く取ることで不純物を効果的に取り除きながら、コクと深みのある味わいを抽出します。このように、ラガヴーリンでは効率よりも品質を最優先し、手間を惜しまない製法が貫かれています。熟成には主にバーボン樽が使用され、樽材から滲み出るバニラやキャラメルのニュアンスがウイスキーに豊かな奥行きを与えます。
 中でも「ラガヴーリン16年」は、世界中のウイスキー愛好家から高い評価を得ており、スモーキーウイスキーの金字塔として広く認知されています。飲むごとに味わいが変化するその奥深さは、まさに時間を味わう一杯と言えるでしょう。

🌟 魅力と世界での評価

蒸留所を代表する銘柄「ラガヴーリン16年と8年」
蒸留所で味わう16年は格別(イメージ)



 ラガヴーリンは、その濃厚でスモーキーな味わいから、世界中のウイスキーファンに「アイラモルトの王者」として知られています。特に16年熟成のスタンダードボトルは、多くのコンテストや専門誌で高評価を獲得しており、ウイスキー初心者からマニアまで幅広く支持されています。ブランドの魅力はその長い歴史と深い風味だけでなく、限定リリースやフェスティバルボトルなどによって熱狂的なファン層を獲得している点にもあります。アイラ・ジャズフェスティバル期間中に発売される特別なラベルや樽選定などは、コレクターにとって垂涎の的です。  
 また、ディアジオによる「スペシャルリリース」や「クラシックモルト・シリーズ」での位置づけにより、世界中のラグジュアリー系ホテルやバーでも提供される定番ブランドとしての存在感を発揮しています。ウイスキーのテイスティングイベントでは、ラガヴーリンの一杯がセッションのハイライトとなることも多く、香り・味・余韻のバランスにおいて、非常に高い評価を受けています。強烈さの中にあるエレガンス——それこそが、「アイラの巨人」ラガヴーリンの魅力です。


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出発日設定2026/10/03(土)※予価
ご旅行代金1,490,000円
出発地東京・大阪・名古屋
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