私の家の近くにイトーヨーカドー(以下ヨーカドー)がある。ところが、いつの間にか「LICOPA東大和」に変わっていた。「LICOPA東大和って何?」という程度の認識だったから調べてみた。不動産を扱うヒューリック株式会社が2023年にヨーカドーから店舗を取得して「LICOPA東大和」に変わったようだ。
1階の好条件の売り場で、食料品、衣料品、住まいの品をヨーカドーが引き続き営業しているから、雰囲気は多少変わったもののヨーカドーが売り場を他社に貸したのだろうと思っていた。まさか店舗そのものをヨーカドーが身売りして店子になっていたとは想像もしなかった。今は、無印良品やノジマなど35店もの店がぎっしり入ってしのぎを削っている。
そのヨーカドーのアパレル事業が苦戦を強いられているという。2024年からカジュアル衣料品をアダストリアの「FOUND GOOD」で賄うようになっているが一向に振るわない。ヨーカドーだけでなくイオンなどの総合スーパーの衣料品が同じような状態だという。1980年代半ばには総合スーパーでは衣料品が売上のトップだったが、今は2位ですらない。苦戦の原因は、“ダサイ”のイメージから抜けだせない”ことにあると評されている。
ファッションに無頓着な私は、学生時代から服は殆どスーパーで買って済ませてきた。まさに“ダサイ”をそのまま身に纏いずっと過ごしてきた。学生のころ、同じアパートに住んでいた秋田出身の法学部の2歳下の学生が、大学近くのジーパン・ショップの店頭にMcGREGORのジャンパーが値下げされて吊るされているのを見て、何度かその店に通って迷った挙句ついに買ったといって大喜びしていたことを思い出す。そんな世界もあるのかとは思ったが羨ましいとは思わなかった。
ただ、“安物買いの銭失い”とは自分のことだと苦笑してしまう。靴はその典型だ。10万円以上する靴を買って修理して長く使うのがいいと聞くが、なかなか靴に10万円も出す気にならず実行できていない。それでも、4万円ほどする靴の靴底を2回張り替て15年ほど使っていたが、年を重ねると足に馴染んできて何とも言えない履き心地になる。費用の問題ではなく、この「履き心地」の感覚を大切にしたい。
話を戻すが、「LICOPA東大和」は道路1つ挟んでユニクロがあり、同じ店舗内に無印良品がある。ヨーカドー側に対抗意識があるのか、どこか品揃えが似ている。総合スーパーの「履き心地」の良さを大切にしてほしい。今後も、日曜日には何回もヨーカドーに行くだろう。学生のころから大変お世話になってきた。頑張ってほしいと思う。