第259回 サンティク ~センブリ~
センブリ 千回振りだしてもまだ苦いゆえに千振(センブリ)と名付けられた。高さ20センチほど、可憐な白色の花をつける小振りな薬草はそれくらいに苦く、「良薬は口に苦し」、または苦味健胃薬の代表格として300年近く日本に根差し […]
センブリ 千回振りだしてもまだ苦いゆえに千振(センブリ)と名付けられた。高さ20センチほど、可憐な白色の花をつける小振りな薬草はそれくらいに苦く、「良薬は口に苦し」、または苦味健胃薬の代表格として300年近く日本に根差し […]
チベットにて 自分の誕生日を正確に知らないチベット人がけっこう多いのには驚かされた。おおよそ春に生まれたとか、満月、朔月に生まれた、もしくは月曜日に生まれた、といった具合ならまだいいほうで、なかには年齢すらもあやふやな人 […]
お灸のツボ チベットでお灸(メツァ)は盛んである。それはチベット高原においてお灸の原料ウスユキソウ(第18話)が身近で手に入りやすいという理由とともに、チベット医が自ら採取し調整できるからだろう。消化不良には鳩尾(みぞお […]
シェーラブ・ニンポ デリーから南インドの終着駅バンガロールまでの44時間、二等寝台の粗末な座席で胡坐を組み、水以外は口にせず、ひたすらチベット語の般若心経を手にブツブツつぶやいている日本人の僕を、同じコンパートメントの西 […]
タラ 2018年12月 昨年末、アイキャンプ(第25話)の一員として南インドにあるチベット人居住区を訪れた。するとさっそく「オガワー、オガワー!」と遠くから手を振っている男性に出会った。よく見るとメンツィカン同級生のタラ […]
甘草 ゴボウのように真っ直ぐに伸びた根は驚くほど甘く、ゆえに古代中国において甘草(カンゾウ)と命名された(注1)。マメ科で地上部は70㎝ほど。夏に淡い紫の花をつける。この甘草が日本人にとって如何に大切な薬草であるか、以下 […]
ヒマラヤ薬草採取 毎年3月になると早稲田大学の大学院生たち(教育学)がゼミ合宿として別所温泉を訪れる。ここ3回は地元の高校生たちもゼミに参加するようになり、昨年は「貧困」をテーマに問題点について討論した。 8月の夏休みに […]
収穫した大豆 昨年11月、森の奥から不思議な鳴き声が響いてきた。「ギュイーン」「グォーン」でもなく擬音語として表記しづらい声だ。「なんの鳥だろう?」と妻と話しているところへ、ちょうど薪割り青年がやってきた。彼は一年以上 […]
クニェ 風のツアーでアムド地方(チベット東北部)の遊牧民の家にお邪魔させていただいたとき「クニェ」の話題で盛り上がった。チベット語でクは身体、ニェは柔軟。つまりマッサージである。ツアー参加者はそもそも伝統医学の名のもとに […]
伐採した松を検分する棟梁 森のくすり塾から東に500m離れた森(飛び地)には大きな赤松が数本生えている。そこで3年前、店の建設にあたって真ん中を支える梁に用いるべく赤松を3本伐採して製材した。しかし、いざ目のあたりにする […]
ナメコ 10月上旬、原木栽培(第223話)のナメコが一斉に大発生した。最初は「わ―、可愛いー」とはしゃいでいた妻も、大量ナメコ鍋を食べた翌日からは一気にテンションが下がってしまった。キノコ大好きの僕もさすがに食べ切れない […]
色づく前の青い柿たち 父の後を追うように(第162話)、2015年、実家の柿の木が突然、枯れはじめた。おおよそ100年前から小川家で大切にされてきた樹木である。インターネットで調べたところウドンコ病ではないかと推察で […]