お一人様2枚までの攻防

まだまだ日中は暑いですが、朝夕にはなんとなく秋の気配を感じる日が多くなりました。関西では某球団の優勝、そして月曜日から優勝セールで盛り上がっています。今回は順当にマジックが減ったこともあり、準備も万端だったようで、優勝決定後の20分後にはセールのお知らせがアップされていました。これを機に我が家も狙っていた家電の買い替えを思案中です。

そんなプロ野球ですが、私にとっては子供のころから身近な存在でした。父の勤務先から年に一度チケットをいただき、西宮球場や甲子園へ観戦に行きました。当時は阪急ブレーブスのマスコット「ブレ―ビーちゃん」が好きで、ユーモラスな動きお気に入りでした。甲子園では、TVで見るより広い球場の大きさに驚き、球場で食べたカップラーメンとカレーの美味しさに感動したことを覚えています。

やがて学生時代に1985年を経験し社会人になった私は、旅行会社の営業所に勤務しました。そこにはプレイガイドが併設されていて、コンサートや映画だけでなく、プロ野球や大相撲のチケットも販売していました。発売日には長蛇の列ができ、大相撲の発売は電話も鳴りやまず大忙しでした。甲子園のライトやイエローなど座席位置を把握していた私は新入社員だったにもかかわらず、先輩と一緒にチケットカウンターに入り販売を担当しました。1年上の先輩はこのチケット販売がとても苦手だったようで、勢いのあるお客様の列を横目に、色分けした自作の座席表を握りしめながら「お願い、中坪ちゃん、私を気絶させて」と本気で言っていたのを、今もよく覚えています。

人気試合の発売日には大勢の人が並ぶため、「お一人様2枚まで」という制限がありました。ある日のこと、先頭近くで並んでいたチケットを買い取る専門の方々数名が、犬を数匹連れて並んでいました。その方はカウンターの先輩に「ライト2枚」と購入し、さらには当然のように「犬も2枚」と追加注文しました。先輩は平然と「犬は人間ではありません」と答えました。やりとりを横で聞いていた私は「なるほど、そう答えるのか」と大事なことを学びました。あの頃の経験は今でも私にとって大きな財産(ネタ)になっています。

今ではチケット販売はWEBが主流になりました。今年は発売日に時報を聞きながら挑戦しましたが、一試合しか取れませんでした。強すぎるのも考えものだと、最近少し思っています。

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