グリーン車

中央線にグリーン車が登場して9か月近くが過ぎた。弊社のJR最寄り駅・中野駅は、中央線上りホームにエスカレーターで上がると丁度そこにグリーン車が止まる。ホームにはそのことが書かれているが、導入当社はそんなことには気づかず目の前にグリーン車が止まると慌てて普通車両に駆け乗るということが何回かあった。今でも、ホームに上がったら既に電車が止まっていると、慌てて普通車両に移動して駆け乗ることがしばしばある。そんなときは「いったい誰がこんなグリーン車を使うんだ」。と少々腹立たしく思っていた。

先日、かなり疲れていてどうしても座りたくてこのグリーン車に乗ってみた。2階建て2両編成のグリーン車は、真ん中の通路を挟んで左右に2人掛け座席が並んでいる。乗ってみたら各席に1人ずつ座っていて、誰も座っていない空き席がなく、誰かの隣に座ろうかと思ったが「横に来るなよ!」という険しい視線を感じて別の車両に移動した。2階にようやく1席空席を見つけて座った。
別に無賃乗車をするつもりなどないが、直ぐに巡回してきた車掌が、座席頭上の豆ランプが赤のままになっていた私に「有料席でございますが・・・」と声を掛けてきた。「グリーン券の買い方がわからなくて・・・お幾らですか」と尋ねると、中野-東京間の僅か20分ほどで1010円も取られた。「次回からホームにある券売機でグリーン券を購入してください。ああ、でも中野駅のホームには券売機がないので外のチケット券売機の所にありますからそこで買ってください」。丁寧に説明してくれたが、“もう買わないからご心配なく”と思わず言いかけたがぐっと飲み込んだ。

50km以内は1010円、但しモバイルスイカやスイカカードに登録して利用すれば750円だそうだ。以前から東海道線などの遠距離路線にはグリーン車があることは知っていたが、何もおよそ3分間隔で運行し通勤時などひどく混む中央線は、混雑緩和の方が優先だろうと思っていたら、なんと10両編成は12両に、6両編成は8両に増えている。

グリーン車両は2階建車両のため外からは社内の様子があまり見えないので、今まで、どれくらい乗っているか分からなかったが、結構利用されていることに驚いた。しかも、20代らしき人も何人かいたし40代くらいまでの若い人たちが殆ど。たまたまそうなのかもしれないが、若い人は追加料金を払うことに抵抗がないのかもしれない。私は、もったいないとつい思ってしまう。

私は、通勤に西武新宿線を利用しているが、400円の特急料金を払えば全席指定の特急「拝島ライナー」に乗られる。座席も一人一人にひじ掛けが付いているので、遠慮なく横に座れる。是非、座席の改良も検討してほしいものだ。「横に来るなよ!」という険しい視線に抗して座るなら、普通車両で座席が空くのを待った方が気は楽だ。

もう随分前からになるが、「誰でも平等に同じ条件で」ではなく、色々な場面で差別化して料金を提示する方向に市場のトレンドが動いている。お金さえ払えば快適なサービスが手に入るから、いいような気もするが、どこか居心地の悪さを感じる。この先にまさか「プライオリティーシートの有料化」などないことを願う。

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