立ち食い蕎麦

*風のメルマガ「つむじかぜ」708号より転載

立ち食い蕎麦は、私が一番よく食べるfast foodである。故郷の南信州ではJRの飯田駅にでも行かない限り立ち食い蕎麦などないから、大学生になるまで殆ど食べたことがなかった。大学に入学し、学食で最初に「てんつきそば」を食べたときは「安くて美味い」と感激した。「てんつきそば」とは「かき揚げたまごそば」のことだが、本当によく食べた。東京に来てからは、もっと食べるようになった。

そんな立ち食い蕎麦好きの私が、先日、ある大手チェーン店で、つゆを多目にしてくれと頼んだら、店員のおばちゃんが、「はい、、、」とは言ったものの怪訝そうな顔しているので「あれ?ダメなのかな?」と直感した。案の定、奥から店長が出てきて「社の決まりで、できないことになっています」。と断られた。

つい2ヶ月ほど前に、同じ店で頼んだときは、同じおばちゃんが、わざわざ丼を大きいのに代えて、つゆをたっぷりにしてくれたのに、と「え?この前はしてくれたのに」とのどまで出かけたが、迷惑そうな雰囲気を察知して「そうですか」で済ませてしまった。

実は、最近その店は、何故かつゆが少なくなり、かき揚げを入れると、つゆを吸ってしまって「汁無しそば」のようになり、「これじゃあ、美味しくないけどなあ、、、」と感じていたのだが、店長は、そんなことよりコストの計算の方が大事らしいと、勝手に想像してしまった。

しかし、ならば有料でいいと、私は思うが、「なんだよ。ほんのちょっとの汁くらいいいじゃないか」。と言い争いになるのかもしれない。だから、店長まで出てきたのだろう。無料でのサービスは、他のお客様から文句を言われ、有料にすれば本人から怒られる。その上、最近は、突然キレてしまう人もいる。私は、どうやら危機管理のマニュアル通りの対応をされたようだ。

もちろん、私の勘違いかもしれないが、なんとも寂しくてやるせない気分になった。世の中、みんなが過敏になりストレスが増幅しているのかもしれない。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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