寛容な社会

プロゴルファーの笠りつ子(32歳)が、終始涙を流しながら謝罪し続けた。いつもは濃い目の化粧でびしっと口紅を引き華やかな衣装をまとっているのに、反省を示すためであろう。すっぴんで白いシャツに黒のスーツ姿でマスコミの前に登場した。

ことの発端は、10月のゴルフツアーの会場で起こった。試合前にストレッチをするためにゴルフ場内の浴場に行ったところ、床に敷いて使うバスタオルが置いてなかったので、ゴルフ場の職員にタオルを要求したら、大会本部にも通知してあるが、朝はタオルを用意しないことになった、と言われ押し問答になった挙句「頭がかたいね。死ね」と暴言を吐いたというのである。ゴルフ場側は、ツアーの日は毎回、朝、浴場のバスタオルがなくなるので、今回はそういう措置をとった説明している。

笠選手は、日ごろから、プレー中におしゃべりをやめない観客に“黙れ”などと強い口調で言ったりしていて評判が悪かったということだが、“ほらみたことか。もうゴルフを辞めろ”というくらいのネット上でのバッシングには愕然とする。日本は、もっと寛容な社会であったはずだ。

確かに、品格はないしゴルフ場のスタッフへの思いやりも感謝の念もなく見下しているとしかいいようがない。驕り高ぶりも甚だしい。しかし、謝っているのだから、精進して頑張れと背中を押してあげるくらいの寛容さがないと社会は生きにくい。もちろん自覚もないし反省もしないなら話は別であるが。

ネット社会は、多様性を齎すといわれていたが、どうも違うらしい。キングコング西野亮廣は『新・魔法のコンパス』(角川文庫)の中で、“ネットでは、『空気よめ』のオンパレード。みんな角が取れてつまらなくなった。鎖国していたころの文化・浮世絵などは『ボケ(異端)』で今も世界に通用する”。といった趣旨のことを述べている。かれは、テレビに出るのを辞めてネット社会で会員制のオンラインサロンを運営している。

ビートたけしの缶コーヒーのCM「ルパンみたいなヤツも、いた方がいいんじゃないかな」。大賛成だ。正義振りかざして純化する“良き社会”は生きにくいに決まっている。

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